■「……哀れすぎ。いいよ聞かせて」

 作者自身のつづ井さんに、三次元の俳優の推しができたときのエピソードも最高。どんな人にハマったかは明言されているわけではないので誰かは分からないのですが、つづ井さんによると1年半舞台に通ったものの年齢も身長も分からずじまいだとのこと。

 そんなときにつづ井さんが友達にある提案をします。その内容はというと、

「ごめんなんだけど、今から ない話していい?」
「……えっ?」とまどう友達。
「いや推しのこと永遠に話していたいんだけど、持ってる情報少なすぎてさ、こうして語れる内容少なくて、だから今から私がこうだったらいいなって思う推しの妄想の話を、まるで真実かのように話すからそれを聞いてほしいんだけど」
「……」黙る友達。

 そりゃそうだ、意味が分からなさすぎるもの(読んでたら慣れます、だってこんなことばっかりやってる漫画なんですもの)。

 さすがに飛ばしすぎたかと焦るつづ井さん。そんなつづ井さんに対して友達が答えます。

「……哀れすぎ。いいよ聞かせて」

 最高でしょ、こんなやりとり。これが話の入りでこれからとんでもないオチに向かいます、マジでこの人たち褒めてる意味でおかしいです。

 推しが尊いって気持ちを久々に思い出しました。私も人生で一回だけ推しが出来たことがあるんです。それはMr.Childrenの桜井和寿さんです。ランドセル開けるとある、時間割入れるクリアなところに桜井さんの写真入れてたもんなぁ。「Tomorrow never knows」24時間以上流して親にブチ切れられたなぁ。全歌詞覚えて書いて勝手に桜井さんがこんな気持ちで書いたのかとか勝手に分かったつもりになって脳内ストーリー作ってたもんなぁ。懐かしい。

 一見するとただぶっ飛んでいる5人組なのかと思いきや各々の個性もあり読む人によってはこのメンバーの中に推しができると思われます。各々好きなジャンルも少しづつ違っているのも面白い、この人がいてバランス取れてるんだなと思いきや読み進めるとその人もしっかりぶっ飛んでいるので最&高でございます。面白すぎてこの5人に推されたいとすら思いました。

 オタクに偏見がある人とかいたらぜひ僕はこの作品を読ませたい、こんなに最高の人生送ってる人たちがいるんだよって。女子だけじゃなく男子も楽しめる作品なのでぜひ読んでみてくださいね。

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