コミックス最終23巻の発売日が12月4日に決定し、初版395万部となることが発表された吾峠呼世晴氏の人気漫画『鬼滅の刃』(集英社)。空前絶後の大ブームを巻き起こした同作だが、これに先駆けて「鬼退治」をしていた作品が、来年で20周年を迎える。それこそが、2001年2月から1年間放送された『百獣戦隊ガオレンジャー』(テレビ朝日系)だ。
スーパー銭湯アイドル・純烈のリーダーである酒井一圭もレギュラー出演した同作だが、今年11月8日に東京国際映画祭で開かれたオンライントークショーで、酒井は「『ガオレンジャー』の経験がなかったら間違いなく純烈は生まれていない」とコメント。本人からの作品への思いがファンに伝えられた。
スーパー戦隊シリーズ25作目で、21世紀初となった『ガオレンジャー』は、「ロボの手足パーツの換装」「本格的なイケメン俳優の起用」「夏映画の公開」など、現在では当たり前になっているその後のスーパー戦隊の多くの「お約束」を築き上げてきた節目とも呼べる作品。タイトルの通り「百獣の動物たち」がモチーフで、『ガオレンジャー』のメンバーはそれぞれ「灼熱の獅子」「孤高の荒鷲」「怒涛の鮫」「鋼の猛牛」「麗しの白虎」「閃烈の銀狼」のキャッチフレーズを持つ「ガオの戦士」と呼ばれる戦士たちだ。大自然の精霊パワーアニマルたちと心を通わせていて、6人目のガオシルバー以外は現代社会を生きる若者から選出されている。
ガオレンジャーが戦うのは、この世に漂う邪悪な思念や衝動が持つパワーが実体化して「鬼」のような姿になった「オルグ」と呼ばれる怪物。オルグの頭には角があり、その数が少ないほど“位”が高い。毎週倒される通常のオルグは複数本の角を生やして登場するが、幹部クラスの「デュークオルグ」は一本角を生やしており、さらにその上の地位に君臨する最高クラスのオルグ「ハイネスデューク」の頭には巨大で立派な一本角がそびえ生えている。
劇中ではハイネスデュークは1クール毎に交代していたが、デュークオルグのヤバイバとツエツエが「ヤバツエコンビ」として、1年間敵側の狂言回しとして活躍していて、悪役ながら愛嬌のあるキャラクターが人気だった。特にツエツエは、オルグシードという豆を利用し、毎回オルグを巨大化させる際に「鬼は内!福は外!」と叫んでいたため、印象に残った視聴者も多いだろう。