■アニメ映画史に残る傑作
第2位(12.7%)にランクインしたのは、アニメ映画『時をかける少女』。06年に公開された細田守監督による劇場作品で、原作は筒井康隆氏の人気小説。このアニメの主人公・紺野真琴(声:仲里依紗)は、小説版の主人公・芳山和子の姪で、原作から約20年後の世界が舞台となっている。
真琴は下り坂で自転車のブレーキが壊れてそのまま踏切に突入。死を覚悟したとき、事故の直前に時間が巻き戻る。それをきっかけに自分にタイムリープ能力があることを知った真琴は、ささいなことで時間を戻していく。そして真琴には、間宮千昭(声:石田卓也)と津田功介(声:板倉光隆)という同級生の親しい遊び仲間がいるが、功介がほかの女の子から告白されたことを機に3人の関係性が微妙に変わっていく……という青春ストーリーだ。
『時をかける少女』は公開当初の興行規模はとても小さかったが、口コミで話題になって異例のロングランヒットを記録。のちに映画『サマーウォーズ』や『おおかみこどもの雨と雪』を大ヒットさせる細田監督の名を、大きく世に知らしめたのがこの作品だった。
そして圧倒的な第1位(33.7%)に支持されたのは、アニメ映画『君の名は。』。16年公開の新海誠監督による劇場版アニメ作品で、日本で公開された映画の興行収入では、『千と千尋の神隠し』『タイタニック』『アナと雪の女王』に次ぐ歴代4位の250億円を記録。最近のアニメ映画ではぶっちぎりの大ヒット作となった。
東京の男子高校生・立花瀧(声:神木隆之介)と、岐阜に暮らす女子高生の宮水三葉(声:上白石萌音)は、ある日突然入れ替わる。これを二人は「夢の出来事」だと思っていたが、同じような夢を繰り返すうちに入れ替わりが本物だと気づく。伝言を通じて次第に打ち解けていく二人だったが、その入れ替わりもいきなり途切れ、瀧が三葉に会いに行くことを決意する……といったストーリー。
本作では単に二人の姿が入れ替わるだけでなく、タイムリープ的な要素が加わることで、物語がより深みのあるものに。さらに新海誠監督ならではの美しい映像描写、RADWIMPSの主題歌なども強く印象に残る名作だ。
ランキング全体を見ると最近の作品だけでなく、かなり古めの作品まで、まんべんなく名前が上がっていた。1位の『君の名は。』こそ圧倒的な割合を占めたが、9位にランクインした映画『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』(1984年公開)のように、ファンにとって思い入れの強いタイムリープ作品はまだまだ隠れているのかもしれない。
(ふたまん編集部)