■再開後のアフレコが少し変化
再開された最近のアフレコ。現場によってさまざまなやり方があるようだが、やはり一度の収録人数を減らす方法が主流のようだ。時間で区切り、スタジオに入れる人数を少数に。これまでは1話のうち自分のセリフがたったひと言でも数時間スタジオ内にいるというのが普通だった。ところが! 今は! 自分のそのひと言が終われば終了……! 余分な雑談を全員でわいわいする時間はないのだ……。
この春、リモートでの会議を経験した方も多いのではないだろうか? 会議の内容は必要最低限のやりとりになり、「会議の後の雑談中こそいいアイデアが生まれることが多いのになぁ!」と謎の法則を嘆く人もいたはずだ。実際、私も人と直接話しているときが一番ひらめく気がしている。漫画を連載していたとき、どんなに忙しくても担当さんとの直接のネーム打ち合わせ時間は必ず設けた。ファミレスでドリンクバーを転がしながら話していると、最高にバカバカしいアイデアが降ってくるのだった。私たちには想像以上に「余分」とされる時間が必要であり、そこにこそ人間関係があるようにも感じる。そしてクリエイティブな何かは、その「余分」から生まれることが多いのではないかと私は思う。
最近お仕事でご一緒した方で、現役の大学生に聞いた話だと、授業がすべてリモートになっているそうだ。通学時間はいらないし、何を着ていくかも悩まなくてもいいし、学食の端でぼっち飯をキメる必要もないし、人見知りを心配することもない。おひとりさまなソロ活動派には良いことづくめのようにも感じる。
反対にリア充にとっては厳しい状況なのではないかと心配になる。大学特有の、なんとなく集まる、誰かしらいる、授業には来なかったのにその後の飲み会にはくる、何やってんだ俺たち、馬鹿だなぁ俺たち、ハハハ、ウェーーーーイ! みたいなのが失われてしまうのではないかと私は危惧している……。あ、もちろんこれは個人のイメージですよ!
こう書くと現在はソロ派が有利のようにも思えるが、ソロ派は人間観察が大好きで、特にウェイウェイしたリア充を後ろから観察する時間は至福で、リア充をウォッチすることで「俺はあいつらとは違う……ククク……騒いでろ…」と謎の自己肯定感を満たせるような部分があり、そのために大学に来ていると言っても過言ではないほどなので、最近の状況はソロ派にとってもリア充にとっても物足りないと言えるだろう。あ、これは個人のイメージと経験談です。
ざっくりと、大学生って大きな小学生というか、中学高校の校則や規律を超えて、家族からも離れる場合が多いし、もう一度自由を手に入れる時間に思っていて。中高は授業に部活に宿題に塾に、なんだか忙しい期間だったように感じるが、学ぶのか、遊ぶのか、バイトするのか、無限の選択肢がある。将来やりたいことが決まらない~と思っている学生さんもいるかもしれないが、なんとなく過ごしている中で、学校での雑談の中で、どんなことに楽しいと感じてるか絶対に体はひらめいている! ただ、ひらめいていることに気づけるかどうかはまた別だ。少し気にしてみるといいかもしれない。