■レースゲームの苦行が続く…

なぜかロゴを操作するという斬新さ。画面中央の「ZUUL」という建物を目指す

 原作となった『ゴーストバスターズ』といえば、当時日本でも絶大な人気を誇った映画シリーズです。このゲームが発売されると知った子どもたちも、ニューヨークの街で暴れまくるゴーストを捕獲したり退治したりできるアクションゲームと思ったはずです。原作映画をいっさい見たことがなくても、そんな展開に期待してしまうはず。

 実際、ゲームはというと、お金を貯めて武器を買い、ゴーストを捕獲し、ボスのゴーザを倒すのが目的となっているので、これだけ聞くと普通のアクションゲームに思うかもしれませんが……甘い!  本作はほぼほぼレースゲームです。

 オープニングでは合成音声を使用した「ゴーストバスターズ!」という声でスタートし、テンションが上がるのですが、しょっぱなから何をしていいのか分からない! 街のようなマップの上に映画のロゴがポツンとあらわれます。そのロゴを動かして、とりあえずどこか入れそうな建物に入るんですが、入ったとたん、なぜかカーレースが始まります。

ファミコン版『ゴーストバスターズ』より、ひたすら繰り返すカーレース

 4車線の一本道を、障害物を避けながらひたすらまっすぐ進むというこのミニゲーム。その際、道を妨害する車に当たると、なぜかお金を取られる。突然の理不尽な展開に、何と戦っているのか分からなくなり「レースゲームをやっているんだっけ?」という錯覚にも陥ります。

 どこに行くにもまずカーレース。武器を買うためにお金を貯めたくても、カーレース。ガス欠になると死にますが、ガソリンを買うにもカーレースをしなければいけません。このミニゲームが序盤の肝であり、一番時間を使う苦行ポイントです。

 どこへ行ってもカーレースになるので、どうしたものかとフィールドで考えていると、マシュマロマンが出て来て、理由は分からないがなぜか即死。 戦うわけでもなく、マシュマロマンが出たらなぜか即死です。

 途中、画面の下にヒントが出るのですが、たとえば、ズールという建物に入ろうとすると「○○を持っていない」と指示され、何度もカーレースをした後に苦労してそのアイテムを購入していくと、今度は別のものを持ってないから入れないと言われる。一度に言ってくれない理不尽さ。

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