■三四郎のツッコミが冴える!
声優が出演する番組といえば、トークや料理、ゲームといった企画が定番。声優の本業は演じることであり、タレントや芸人たちがハデに活躍するバラエティ番組と比較すると、やや地味な印象を受けてしまうのはやむをえないところ。
しかしこの番組は違う。MCを務める三四郎の2人は「笑い」のプロであり、バラエティ番組の出演経験も豊富。22/7のメンバーが多少トークで空回りしたとしても、それを即座に笑いに変えるウデがある。
さらに、シーズン1開始当初は、アニメ化もされていなかったために「原作」と呼べるベースがなく、キャラクター紹介用の短編映像や連載記事があるのみ。そのため、キャラを演じる声優たちも、番組出演時はかなりノビノビやっていた節がある。
そのような開放的なノリは、MCの三四郎やナレーション(声・山盛由果)にも見られ、メンバーが番組中にもたもたしたり、トンチンカンな発言をすると、すかさず「グダグダだな」「質問の刻み方がおかしい」など、容赦なくツッコんで視聴者の笑いを誘い、同時に番組をスムーズに進行させてきた。
■声優の交代劇イジりに、あからさまなエコひいきも!
また、シーズン1終了後にメンバーのひとりが卒業して、声優が交代。その後スペシャル番組で共演した際に、MCの三四郎は開口一番「ちょっと声変わりした?」と新メンバーをさっそくイジる場面があった。
アニメ業界ではキャストやスタッフの降板はデリケートな話題として扱われ、そこに触れるのは極力避ける傾向にある。しかし、そんなハードルを平然と飛び越える同番組は、業界タブーすら笑いに変えて、一般のバラエティ番組と比べても遜色ないクオリティを提供しているように感じる。
さらに番組を盛り上げる要素のひとつに、MCの2人が、それぞれの“推し”を公言している点も挙げられる。小宮は斉藤ニコル(声・河瀬詩)を、相田は滝川みう(声・西條和)をお気に入りと認めていて、メンバー同士が競い合う企画では露骨なまでに“ひいき”をする。これも通常のアニメ関連番組では、あまり見られない光景と言えるだろう。
もちろん、こうした三四郎の言動はあくまで番組を盛り上げるパフォーマンスで、審査などは厳正に行われるが、「番組MCがニコル&みうをひいきし、他のメンバーからブーイングが起こる」という一連の流れは、もはや番組の“定番のネタ”といっていい。