■「ばい~ん」も「ぬぺぬぺ」もない、ネゴさんからの感想
さて、今回この漫画を読んでいただいた先輩芸人なんですが、その方とは。
ネゴシックスさんです!!!
ばい~ん(ネゴさんが好きな擬音)
はもはも(ネゴさんが好きな擬音)
ぬぺぬぺ(ネゴさんが好きな擬音)
アーティスティックで個性的な小道具から繰り出されるボケを島根弁でツッコむという、純度の高い「面白い」をお茶の間に提供してくれたネゴシックスさん。
大好きな先輩で、大阪での若手時代にはスリスリすり寄って仲良くさせてもらっていました。
その頃に今も忘れないのは、僕が舞台でスベッた日、みんなが帰った楽屋で夜まで一人で悩んでいたとき、フラッと楽屋に訪れたネゴさんに悩みを聞いてもらうと、「ウジウジしててもしょうがねえ、なぎ倒しゃいいんだよ」と、一発ギャグをする小道具が入っている大きな箱を楽屋の真ん中でひっくり返しました。ネゴさんは、その中から一つの小道具を持って僕の前で一発ギャグをして、使った小道具を僕の目の前に差し出し……、
「ほらよ」
……そう手渡してくれたネゴさんの顔は、ドラマ『若者のすべて』最終回で刺されて血だらけのまま煙草を吸おうとした萩原聖人に同じく血だらけのままライターの火を差し出したときのキムタクの顔と全く一緒でした。
ネゴシックスさんが東京進出するときに「もう乗らないから」と、自転車をゆずってくれました。ネゴさんがいなくなってから、大阪の難波をその自転車で走っていたときのこと、若い女性二人組に声をかけられました。
「あ!ネゴシックスだ!」
どんだけこの自転車乗っててん。自転車が顔指してるやん。
ネゴシックスさんからは大阪時代に住んでいた部屋もそのまま引き継いで住ませてもらっていました。住みだした頃、霊感の強い人から「この部屋には霊がいる」と言われ、その話を聞きつけ部屋に霊媒師が来るというロケがあり霊を探していると「……ここです!この掃除機の中に全部入ってます!」とおっしゃりました。
ゴーストバスターズ?
そんな、魅力いっぱいのネゴさんですが、あの『ONE PIECE』を断念した方です。果たして読んでくれるのか……?
後日、ネゴシックスさんからLINEが届きました。
「漫画とはこういう事だったんでないだろうかと思い出させる痛快さ。ハッピーエンドで終わると初っ端に言ってしまう、それではどこを見せてくれるんだ? と思っていたがそんなことは野暮だった。
オチを言った程度で面白くなくなる漫画は面白く無いのかもしれない。男女の恋愛漫画だから付き合う付きあわないが見せ場に来るのだろうと読み進めれば、数ページで2人はいい感じになってしまった。
恋愛にスケールの大きい地獄が絡んで来て、恋愛の小さな出来事がかなり浮き彫りにされ、41才の僕にあの頃の異性への芽生を思い出させてくれた。ほとんどの出来事が2人の知らないところで起きていく。ナレーションでたびたび出てくる“本編とは大きく関わりのない物語である”と語られている箇所がそれだ。
もしかしたら世の中の現象の殆どは自分の知らないトコでこの漫画の様に起こっているんだろうが、もしかしたら世の中の現象の殆どは自分の知らないトコでこの漫画の様に起こっているんだろう」
めちゃめちゃちゃんと読んでくれてる!!!
思ってたよりちゃんとした感想!
「ばい~ん」とか「ぬぺぬぺ」とか一つも言ってない!!
本当にありがとうございます。
ちなみに私、ムーディ勝山のオススメの読み方は、作者とよ田みのる先生のツイッターをフォローしておくこと。「ツイッターで言ってたやつが漫画になってる!」っていううれしい喜びがあるかもしれません。