■島崎「CGでもここまで描けるんだ!」

 島崎を含め、今回の配役は「声優陣すべて完璧にマッチしていた」と力強く語った井手監督。これに対し櫻井は「(ザックス・クロムウェル役の)諏訪部さんの人情味があって男臭い役っていいなって思います。ラスボスとかインテリっぽい役が多いけれど、マッチョな雰囲気のこういう役もすごくステキです」とコメント。島崎も「あれだけいい声の方が、(ザックスの)あの声を出していることにトキめくんでしょうね」と魅力を説明していた。

 瀬下総監督から、レビウスのテーマの一つが“過保護”であると聞いたという島崎は、「レビウスは強くてみんなを引っ張っていく戦士というよりは、意外とわがままだったり、優しいところもあるけれど、ブレるところもある。だけど、そんなレビウスだからみんなが支えてくれるという意味だそうです。僕がインタビューで過保護を強調したせいで、過保護がパワーワードになっていますが、このアニメは過保護、ボクシング、機関拳闘がテーマになっています」と解説した。

 ここでトークはプレスコの話題に。メインキャラクターでプレスコをやるのは初めてという島崎は、「みんなと掛け合ってやるのが初めてだったので、ドキドキしました」と振り返る。「絵が全くない状態でみんなが集まってセリフを喋るのですが、自分と相手が違う絵を想像していると感じたら、その都度調整していく過程、その場で作っていく感とかおもしろかったです」と満足の表情を浮かべた。

 出来上がった作品を見て「アクションシーンがすごいのはわかっていたけれど、今回は表情や傷とかも入っているので、CGでもここまで描けるんだ!」と感動したことを明かす島崎。これに対し、井手監督は「今回は“かたさ”もしっかり出したかった。アクションシーンだけでなくいろいろと現場には無理を承知でお願いして、しっかり描いてもらいました」と説明。続けて「今回のポイントは足を動かすこと。モーション・キャプチャーなしで足を動かすのはとても大変なのですが、カメラも動かすことができたのでありがたかったです。体重の重心移動とかもすごく大変でした」と制作工程を振り返っていた。

 この日、文字通り“裏話”をたくさん披露し、トークを盛り上げた岩浪音響監督は音のこだわりについて「特にありません」と回答し笑いを誘いつつ、「聴いての通りです。よかったでしょ?」という岩浪音響監督の問いかけに、会場は大きな拍手に包まれた。

 また、菅野祐悟による音楽のテーマは“フラメンコ”であるとし、曲作りのために菅野はフラメンコの本場スペインまで足を運んだという。戦闘にフラメンコのリズムをつけるというサウンド誕生エピソードなども明かされ、本作品に音楽が欠かせないこと、そしてそのこだわりの制作秘話も語られた。「情熱的で感情が高まっていく感じが作品に合っている」という櫻井のコメントに井手監督は「レビウスの喋らないけど熱い感情というのを音で表したかった」と説明すると、島崎は「なるほど!」と納得した様子を見せていた。

 最後の挨拶で櫻井は「今日観ていただいたところまでは導入的な部分です。この後が盛り上がっていきます。バトルを通して生まれる人間模様、深く描かれるドラマに注目してください」とコメント。島崎は「登場人物のバックボーンがわかってきたので、ここからが本当に盛り上がる作品です。いろいろなキャラクターがあの手この手で心を揺さぶってきます。音、映像、キャラクターなど視点を変えてみれば何度でも楽しめます。100回観ても楽しめる作り込まれた作品なので、何度も楽しんでください。配信だと停止や巻き戻し、早戻しも楽なのでおすすめです」とアピールし、イベントは幕を閉じた。

■『Levius -レビウス-』
●キャスト
レビウス・クロムウェル CV:島﨑信長
ザックス・クロムウェル CV:諏訪部順一
ビル・ウェインバーグ CV:櫻井孝宏
ナタリア・ガーネット CV:佐倉綾音
マルコム・イーデン CV:大塚芳忠
ヒューゴ・ストラタス CV:小野大輔
謎の美少女 CV:早見沙織
Dr.クラウン CV:宮野真守

●スタッフ
原作:中田春彌(集英社 ヤングジャンプ コミックス・ウルトラ)
総監督:瀬下寛之
監督:井手恵介
シリーズ構成:瀬古浩司
脚本:猪原健太 瀬古浩司
プロダクションデザイン:田中直哉 Ferdinando Patulli
キャラクターデザイン:森山佑樹
ディレクター・オブ・フォトグラフィー:片塰満則
CGスーパーバイザー:岩田健志
美術監督:畠山佑貴
色彩設計:野地弘納
音響監督:岩浪美和
音楽:菅野祐悟
アニメーション制作:ポリゴン・ピクチュアズ

(C)中田春彌/集英社 ポリゴン・ピクチュアズ

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