■夢を「課題」から「癒し」へ

 今回語られている「夢」とは、職業や仕事ではなく「人生単位で叶えたい夢(byオーナー)」。

 中には今までに「夢」や、「やりたいこと」によって追い詰められた経験をした人がいるかも知れません。ワクワクする気持ちから、やりたいことを見つけたのに、なかなかその物事が実現しないと、自分の非力さを実感し、つらくなる。ならば「夢」なんて持たない、と「夢」の存在を忘れていく。

 しかし、今作を読んでいると、「夢」とはもっと笑顔にさせてくれるものだったことを思い出させてくれます。叶えなければいけない「課題」としての「夢」ではなく、想像したら楽しい「癒し」としての「夢」。

 令菜は、とあるキッカケで小学生のときの夢を思い出すシーンがあるのですが、それをオーナーに伝えると、

「君は今日から夢のおかげで頑張れる」と言われます。

 人生があって結婚がある。人生があって仕事がある。どんなことに自分は心が跳ね上がるのか。自分は何に「夢」を感じるのか。そこにすべてのヒントがあるのかも知れません。

 と、前作同様、ただまた違う感覚で主人公たちから感化されるものがあります。シーズン1が鋭く重い刃物で斬られる感覚ならば、シーズン2は魔法陣の中央に立たされ、ジワジワ呪文が身体に浸透してくる感覚でしょうか……。

 東村先生の描く個性あふれるキャラクターたちに囲まれ、令菜がどのような歩みを見せるのか自分のことのように目が離せません。令菜と一緒に令和をエンジョイ!『東京タラレバ娘シーズン2』ぜひお楽しみください!

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