いよいよクライマックスが目前に迫った、アニメ『BLEACH 千年血戦篇-禍進譚-』(久保帯人氏)。主人公・黒崎一護たちとユーハバッハ率いる「見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)」の最終決戦は佳境を迎え、長きにわたって描かれてきた『BLEACH』の物語も、いよいよフィナーレを迎えようとしている。
そんな「千年血戦篇」で、極めて重要な役割を担っているのが石田雨竜だ。一護の仲間として長く行動をともにしてきた石田だが、「千年血戦篇」ではこれまでとは異なる動向を見せ、物語の行方を大きく左右する存在となっている。
振り返れば、石田はこれまでの物語でも幾度となく自身の力を大きく変化させてきた。滅却師(クインシー)として登場当初から高い戦闘能力を見せていたが、戦いを重ねるなかで、その実力はさらに進化。「こんなに強かった?」と驚かされるほどの姿を、節目ごとに見せてきた。さらにアニメ版では、原作には描かれなかった新たな姿も登場しているのだ。
今回は、石田雨竜がこれまでに見せた「3つの覚醒」を振り返ってみたい。クライマックスを前に、彼がこれまでどのような力を見せてきたのか、その軌跡をたどってみよう。
※本記事には作品の内容を含みます。
■第1の覚醒:「滅却師最終形態」でマユリを圧倒!
まずは、「尸魂界篇」で見せた「滅却師最終形態(クインシー・レツトシュティール)」だ。
尸魂界へと乗り込んだ一護たちと別行動をとっていた石田は、十二番隊隊長・涅マユリと対峙する。石田にとってマユリは、祖父・石田宗弦を死に至らしめた張本人ともいえる、因縁の相手だった。
当初は、斬った相手に猛毒を注ぎ込むマユリの始解「疋殺地蔵(あしそぎじぞう)」に苦しめられていた石田だが、極限まで追い詰められたところで、自らの霊力を極限まで高める「滅却師最終形態」を発動する。
その姿は、それまでの石田とはまるで別人だった。巨大な霊子の翼と弓を構え、霊子を隷属させる力を手にした石田は、マユリに「人間に許された力の領域を超えている」と言わしめるほどの力を発揮。圧倒的な霊圧と攻撃力を手に、凄まじい猛攻を仕掛けた。
マユリも卍解「金色疋殺地蔵(こんじきあしそぎじぞう)」を繰り出すが、石田はこれをものともせず、マユリの胴体のほとんどをえぐり取るほどの甚大なダメージを与え、ついには追い詰めることに成功する。
ただし、この力にはあまりにも大きな代償があった。「滅却師最終形態」を使用すると、石田は滅却師としてのすべての力を失ってしまうのだ。
圧倒的な力を得る代わりに、自らの能力を失う。まさに命を削る切り札と呼ぶにふさわしい技だった。まだ物語の序盤ともいえる「尸魂界篇」の時点で、隊長格を相手にこれほどの死闘を演じていたことを振り返ると、石田がもともと持っていた底知れない才能の高さがよく分かる。
■第2の覚醒:「ゼーレシュナイダー」を手に、破面と激突
「破面篇」にて井上織姫奪還のため、虚圏へ突入した石田。その前に立ちはだかったのが、十刃落ちのチルッチ・サンダーウィッチだった。
チルッチが帰刃「車輪鉄燕(ゴロンドリーナ)」を解放すると、鋼鉄のような翼を高速で振動させ、雨竜が放つ矢をことごとく弾き飛ばしてしまう。得意とする遠距離攻撃を完全に封じられ、窮地に追い込まれた雨竜は、そんな絶望的な状況を打破するため、「魂を切り裂くもの(ゼーレシュナイダー)」を取り出す。
ゼーレシュナイダーは、滅却師が使用する特殊な武器だ。石田曰く「滅却師唯一つの刃を持った武器」であり、見た目は剣そのもの。しかし、その刀身は霊子によって構成され、1秒間に300万回という超高速で振動しており、原理としては刀というよりもむしろチェーンソーに近い代物だ。
振動によって切断力を極限まで高めたゼーレシュナイダーは、チルッチの頑強な鋼鉄の翼をものともせず切断していく。
追い詰められたチルッチは翼を捨て、そのすべてをひとつに集めた捨て身の攻撃を仕掛ける。これに対して石田が見せたのが、ゼーレシュナイダーを弓として使うという、実に滅却師らしい戦法だった。
そのときの「滅却師は弓矢以外は遣わない」という石田のセリフには、思わずしびれてしまう。もっとも、のちの「千年血戦篇」では“弓矢以外の武器”を使う滅却師も多く登場するのだが……。


