■国民的ボードゲームを強引にRPG化した怪作『RPG人生ゲーム』

 続いて紹介するのは1993年にタカラから発売された『RPG人生ゲーム』。誰もが知っている超有名ボードゲーム「人生ゲーム」をファミコンのRPGに落とし込んだ異色の作品となっています。

 ゲームが始まるなり、「歌手」「カメラマン」「刑事」「プロレスラー」「漫画家」「社長」の6つの職業から目的を選択。それぞれの職業ごとに異なるストーリーが展開されます。この6つの夢をすべてかなえると、最後に「主人公編」が始まるという構成でした。

 ボードゲームの「人生ゲーム」といえば、ルーレットを回して停止したマスに書かれたイベントが発生するのがお約束。その要素が見当たらず、一見普通のRPGかと思いきや、フィールドを歩いていると唐突にイベントが発生。ルーレットを回し、出た目によって「アンラッキー」「ノーマル」「スーパーラッキー」などの結果が決まり、それに応じてステータスが成長していく仕組みでした。

 このランダム発生するルーレットイベントは、通常のRPGにおけるザコ戦と同じような扱いなのでしょう。逆にいえば、このルーレットイベントがなければ「人生ゲーム」要素は、ほとんど感じられないかもしれません。

 職業ごとに指定された場所に到達すると、入学試験やオーディションなどのイベント戦闘がスタート。そこからは敵となる試験官らとのコマンドバトルに突入します。職業ごとに異なる攻撃手段で相手を満足させていき、見事倒す(?)ことができたら目標達成……という流れを繰り返しながら、最終的な目標クリアを目指していくのです。

 とはいえ、職業が変わってもやること自体は基本的に同じ。正直なところ「なぜ人生ゲームをRPGにしようと思ったのか」と、筆者と同じような疑問を抱いた人も少なくないはずです。

■ホラー映画をファミコンRPGに落とし込んだ傑作『スウィートホーム』

 ホラーといえばアドベンチャーゲームが主流だった時代に、RPGにホラーを落とし込んだ名作が、1989年にカプコンが発売した『スウィートホーム』。本作は伊丹十三さんが製作総指揮を務め、黒沢清さんが監督を務めた同名のホラー映画をゲーム化したものです。

 5名のテレビ取材班がフレスコ画家である故・間宮一郎の邸宅に潜入。悪霊が巣食っている間宮邸からの脱出を図るストーリー。さまざまな怪奇現象や怪物と戦いながらレベルアップし、探索しつつ邸宅の謎を解いていく内容となっています。

 本作にはRPGにありがちな宿屋のような回復施設はなく、一度死んでしまったキャラクターは復活しません。回復リソースは間宮邸内に存在する薬ビン(回復薬)のみで、入手できる数には限りがありました。

 そしてベースはRPGでありながら、しっかりとホラー要素が詰まっています。おどろおどろしい映像や効果音など、恐怖を感じさせる秀逸な演出も光りました。特にゆっくり開く扉の描写は、のちに『バイオハザード』にも取り入れられ、ファミコンの貧相なグラフィックながらも、十分に恐怖を感じさせられる作りとなっています。


 『ドラゴンクエスト』シリーズの大ヒットをきっかけに、ファミコンで大流行したファンタジーRPG。その潮流にあえて逆らい、西洋ファンタジーという固定観念にとらわれない世界観で生み出されたRPGは、いろんな意味で目を引きました。

 ファミコン世代の皆さんは、どのような世界観のRPGが好みだったでしょうか。

  1. 1
  2. 2
  3. 3