ドラクエ全盛期に一石を投じた「異色のファミコンRPG」たち 「竜退治はもうあきた」メタルマックスに、「まさにホラー映画」スウィートホームもの画像
『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ』(任天堂)(C)Nintendo

 1986年、ファミコンにて『ドラゴンクエスト』が発売され、翌87年に『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』、88年には『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』が立て続けに登場。それまでなじみの薄かったRPGというゲームジャンルは一気に市民権を得て、爆発的なブームとなりました。

 それにともない、以降のファミコン界は『ドラクエ』によく似た西洋ファンタジー風のRPGであふれかえります。

 しかし、そんな「猫も杓子もファンタジーRPG」という流れから脱却を図ろうとするような、独自の世界観に落とし込んだ異色のRPGも誕生。『ドラクエ』風のファンタジーRPGに食傷気味だった当時のファミコンキッズに一石を投じたのです。


※本記事には各作品の内容を含みます。

■刺激的なキャッチコピーにしびれた、ポストアポカリプス的世界観の『メタルマックス』

 異色のファミコンRPGを語るうえで外せないのが、1991年にデータイーストがリリースした『メタルマックス』です。

 同作のキャッチコピーは「竜退治はもうあきた」で、『ドラクエ』へのアンチテーゼにも見える刺激的なものでした。

 その触れ込み通り、『メタルマックス』の舞台は定番のファンタジーRPGとは一線を画す、文明崩壊した荒廃した世界で近代兵器が活躍するという、ポストアポカリプス的な世界観が特徴です。ゲーム内には東京のランドマークらしき場所もちらほら登場。現代文明と地続きであるかのような設定は異彩を放っていました。

 そして本作の最大の売りは、手に入れた戦車などを用いて戦うという斬新なシステム。主人公は犯罪者や暴走する機械などを狩るハンターとなり、賞金首を倒して報酬を得ていきます。

 重火器や、強力な主砲を備えた戦車などが繰り出す火力は圧倒的で、剣と魔法のファンタジーRPGにはない爽快感が味わえました。

 さらに主砲や副砲、エンジンなどのパーツを入れ替えて戦車のカスタマイズにハマる人も続出。特殊な砲弾を使うことで、属性攻撃や範囲攻撃など柔軟なバトルを楽しめるのも特徴です。

 それまでのRPGにはなかった異色の設定と、自由度の高さでプレイヤーを魅了し、いまだに傑作RPGとして多くのファンから支持されています。

■アイドルを育成するRPGって何だ?『チャイルズクエスト』

 殺伐とした世界観とはまったく異なる、異色の設定が光るのが、1989年にナムコが発売したRPG『ラサール石井のチャイルズクエスト』です。

 主人公は、芸能プロダクション「石井光三オフィス」の新人マネージャーとして、同社に所属するお笑いアイドルグループ「チャイルズ」を売り込み、彼女たちを日本一のスターにするという内容。「アイドル育成」と聞くと、シミュレーションゲームを思い浮かべる人が多いと思いますが、れっきとしたRPGでした。

 もちろんRPGなので、経験値を稼いでレベルアップを図っていくのですが、経験値を稼ぐ方法は「戦闘」ではなく「営業」。マネージャーは攻撃するかわりに「よいしょ」を繰り出し、相手を気分よくさせてファンになってもらうという斬新なスタイルです。

 また、マネージャーは「まほう」という特殊技能が使用できますが、いわゆる「魔法」ではなく、「マネージャーが少しでもラクをする方法」を略した「マ法」とのこと。HPを回復する「かんちょ」、強力なよいしょを行う「ぺこ」など、少々ふざけたネーミングの「マ法」が多数存在します。

 ちなみに営業を行うのはマネージャーだけで、「チャイルズ」のメンバーは後ろをついてくるだけ。ただし「チャイルズ」の面々は、敵のセクハラ攻撃などによって不満が募ると「フマンド」の数値が上昇。これが100%になると強制的に事務所に戻されるペナルティを受けます。

 主人公であるマネージャーは、営業を繰り返しながら人気とお金を集め、マイクやドレスといった装備品を購入して「チャイルズ」の魅力をアップさせ、コンサートの成功を目指していくのです。

 バトル(営業)の内容からゲームの最終目的まで、いわゆるファンタジーRPGとはまったく世界観が異なりますが、コミカルな本作ならではの面白さがありました。ヘンテコなファミコンRPGという目線で選ぶなら、本作は筆頭で名前が挙がる作品かもしれません。

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