1966年放送の『ウルトラQ』から始まった昭和『ウルトラマン』シリーズに登場した侵略者たちは、さまざまな方法を使って地球の平和を脅かしてきた。
中には『ウルトラマン』に登場した凶悪宇宙人「ザラブ星人」のように、“にせウルトラマン”に変身して街中で暴れることで、ウルトラマンの信頼を失墜させようとする巧妙な策をとった宇宙人もいた。
以後、ウルトラ兄弟の偽物はシリーズに何度か登場。目的はさまざまだったが、その存在だけで強烈なインパクトを残した。今回はそんな偽物のウルトラ兄弟にスポットを当てて振り返っていきたい。
※本記事には各作品の内容を含みます。
■本物と互角の戦いを演じた「ニセ・ウルトラセブン」
偽物ながら、本物と同様の実力を誇ったのが、1968年放送の『ウルトラセブン』第46話「ダン対セブンの決闘」に登場したロボット超人「ニセ・ウルトラセブン」だ。
怪現象が頻発する一帯を調査していたモロボシ・ダン(ウルトラセブン)は、侵略星人「サロメ星人」に拉致され、海底工場に監禁されてしまう。そこで作られていたのがニセ・ウルトラセブンだった。
ウルトラビームの秘密をダンに自白させたサロメ星人は、ニセ・ウルトラセブンを完成させ、手始めにウルトラ警備隊の目の前で船を次々撃沈する。
このときダンは、ウルトラアイを所持していなかったため、自身の代わりにカプセル怪獣「アギラ」を登場させ、ニセ・ウルトラセブンに対抗。しかし、アギラは軽く一蹴され、続いて接近してきたウルトラ警備隊のウルトラホーク1号もニセ・ウルトラセブンの「エメリウム光線」により撃墜されてしまう。
アギラが時間稼ぎをしている間にウルトラアイを取り戻したダンは、セブンに変身し、ニセ・ウルトラセブンと対峙。だが、サロメ星人が「完成すれば天下無敵。我らの計算では本物のセブンでも倒せる」と豪語しただけあって、本物と偽物のセブンはほぼ互角の戦いを繰り広げる。
まずは「アイスラッガー」の撃ち合いとなり、続いて「ラインビーム」の力比べになるも勝負はつかず、空中戦に持ち込む。ここでセブンは「ボディ風車」を仕掛け、両者もつれ合ったまま海中に墜落。最後ニセ・ウルトラセブンは大爆発を起こした。
ニセ・ウルトラセブンは、肘やひざ、腰などにプロテクターを装着しており、声が低めという差はあったものの、実力は本物と遜色なかった。本物のセブンのボディ風車で敗れたのは、己の実力を過信し、無策で突っ込んでしまったためだろう。
■ウルトラ兄弟の代表的な光線技を何度も耐えた「エースロボット」
敵の手でウルトラマンAがそのままコピーされ、テストに使用されたこともあった。それが1972年放送の『ウルトラマンA』の第14話「銀河に散った5つの星」に登場した超人ロボット「エースロボット」だ。
エースロボットは、もともと異次元人「ヤプール」が異次元超人「エースキラー」の実力を試すために作られた存在だった。ゾフィーをはじめ、ウルトラ兄弟たちの力を奪ったエースキラーの前に立ったエースロボットは、ウルトラマンAと同等の能力を秘めているとされた。本物のウルトラマンAと同じように「メタリウム光線」を発射することもできた。
逆にエースキラーは、ウルトラセブンの必殺技である「エメリウム光線」を放ち、続いてウルトラマンの「スペシウム光線」を発射。さらにウルトラマンジャックの「ウルトラブレスレット」で攻撃すると、倒れて苦しむエースロボットに次々と光線技を浴びせていく。
そして、成す術なくエースキラーの攻撃を受けつづけたエースロボットは、最後にゾフィーの「M87光線」を浴びて爆散。エースキラーのテストは終了した。
瞬く間に倒されてしまったエースロボットの出番はわずか1分ほど。エースキラーのかませ犬のような存在ではあったが、強力な光線技を何度も浴びながら耐え抜いた頑丈さは相当なもの。エースロボット自体、偽物とはいえ決して弱くなかったと思われる。


