10月9日より放送開始される新アニメ『とある暗部の少女共棲(アイテム)』。本作は『とある魔術の禁書目録』『とある科学の超電磁砲』に連なる「とあるシリーズ」のスピンオフ作品で、作中に登場する組織「アイテム」にスポットが当てられている。
「とあるシリーズ」は、本編にあたる『禁書目録』の原作小説が60巻以上発売されている(※未完結)ほか、上に挙げた『超電磁砲』の他にも数々のスピンオフ作品が存在。そのため、「今さら新作が放送されても入りづらい」と思っている人も多いのではないだろうか。
しかし今回の『少女共棲』は、時系列でいうと『禁書目録』や『超電磁砲』の1年前が舞台。もちろん本編の内容を知っているに越したことはないが、「とあるシリーズ」未見でも比較的入りやすい作品になっているのだ。
そこで今回はシリーズ初心者に向けて、新アニメ『とある暗部の少女共棲』を楽しむために押さえておきたいキーワードを紹介していこう。
■「学園都市」の「暗部」を描く物語
まず知っておきたいのは、シリーズ全体の舞台となる「学園都市」について。この地では学生を対象に超能力開発がおこなわれており、「無能力者(レベル0)」から「超能力者(レベル5)」といったレベルがあって念動力や電撃使いなど、さまざまな能力者が存在する。
物語の中では、学園都市の闇や外側に存在する「魔術」サイドなど、さまざまな敵との戦いが描かれる。ただし、『禁書目録』の主人公・上条当麻や、ヒロインの1人で『超電磁砲』の主人公でもある御坂美琴は、学園都市の基準でいえばあくまで「普通の学生」。殺しや血みどろの争いとは無縁の、若者らしい青春を謳歌する日常シーンも少なくない。
だが、『少女共棲』の主人公である「アイテム」の少女たちは違う。学園都市には「暗部」と呼ばれるダークサイドが存在するのだが、そこは非人道的な実験や闇取引、表に出せないありとあらゆる犯罪が横行する場所だ。その暗部で生きる彼女たちは、暗殺や破壊活動といった汚れ仕事を担うことを日常としている。上条や御坂たちと年齢はそう変わらないはずだが、生きている世界がまるで違うのである。
そんな彼女たちがメインになる以上、『少女共棲』の物語は自然とハードなものとなる。ちなみに本編でも「アイテム」の面々は登場するが、やはり殺伐さやトラウマシーンと密接な関係にある。今回のアニメでも、ショッキングな描写が続くことは間違いない。
■「麦野沈利」の異質さ
『禁書目録』や『超電磁砲』と比べてかなりダーク要素が強い『少女共棲』だが、そこにさらなるインパクトを与えるのが、なんといっても主人公にあたる「麦野沈利(むぎの しずり)」の存在だろう。
麦野は御坂と同じく、学園都市に7人しか存在しない「超能力者」の1人。「原子崩し」という、簡単に言えばビームを操る能力の持ち主で、ド派手な戦い方で容赦なく敵を葬り去っていく。
本作のアニメ公式サイトのキャラクター紹介にて、「極悪」「最大殺傷力の女王さま」「自己中心的」「法や道徳を一切気にしない」といった言葉が並べられている通り、麦野は“まっとうな主人公”像とはかけ離れている。見た目こそ大人びた雰囲気の美女だが、悪役顔負けの冷酷さを見せる場面が多く、非常に口も悪い。『禁書目録』では、数々の罵詈雑言や残虐行為によって読者や視聴者を震え上がらせてきた。
とはいえ、完全な悪人というわけでもなく、仲間想いな一面や年頃の少女らしい姿を見せる場面もあるのが彼女の複雑なところ。今回の『少女共棲』では、そういった麦野本来の人間性があちこちで垣間見えるため、本編から入るより、かえって彼女の魅力を理解しやすいかもしれない。
もちろん、麦野以外のメンバーも個性派ぞろい。一筋縄ではいかない彼女たちが、どのような化学反応を起こしていくのかも、本作の見どころの1つとなるだろう。
学園都市の暗部で生きる少女たちの姿を描く『とある暗部の少女共棲』。
「とあるシリーズ」の本編を知らない人にも入りやすい作品とはいえ、本編を知っていれば、思わずニヤリとしてしまう描写やネタも盛り込まれている。本作の第1話を見て気に入ったら、『禁書目録』や『超電磁砲』をチェックしたほうが、今後より一層楽しめるのは間違いないだろう。『少女共棲』をきっかけに、名作「とあるシリーズ」の世界に踏み込んでみるのはいかがだろうか。
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