2026年9月25日に、とうとう最終回を終えた朝ドラ『風、薫る』(NHK)。本作を見ながら、つい考えてしまうことがあった。筆者がもしもりん(見上愛)だったら、3人のなかで誰を選ぶだろう──。
幼なじみの虎太郎(小林虎之介)か、謎多きシマケン(佐野晶哉)か、それともラテン気質の横沢(井上祐貴)か。『風、薫る』ウォッチャーの友人たちにも調査してみると、見事に意見が分かれたのが面白い。
そして、それぞれどうしてその人物を選んだのかを聞いているうちに、あることに気がついた。……これ、めちゃくちゃ恋愛観が表れない──?
ということで、本稿では独断と偏見たっぷりに、“推し”から見えてくるそれぞれの恋愛観を分析してみたいと思う。
※本記事には作品の内容を含みます
■虎太郎推しは、愛するよりも愛されたいっ!
幼なじみの虎太郎は、3人のなかでりんをいちばん古くから知っている存在だ。しかし、元足軽の出という身分が邪魔をして、“姫様”であるりんにはアプローチできずにいた。そんな彼は大人になってりんがいる東京に出てきたのだが、その理由のひとつには、りんを支えてあげたいと思う気持ちもあったらしい(※)。いや、一途すぎんか……?
※ステラnet(「風、薫る」小林虎之介「シマケン(佐野晶哉)がりん(見上愛)の近くにいることに嫉妬と引け目を感じて……。ライバル視しましたね」2026.06.19より)
そんな虎太郎を推しているみなさんは、愛するよりも愛されたいタイプだと思う。そりゃ、タイプとかけ離れている人は無理だけど、同じくらいの“好き”だったら、より自分を愛してくれる人を選ぶ。何なら、それまで意識していなかった相手だとしても、まっすぐさに心を打たれて、「え、好き。」(『好きすぎて滅!』のM!LK山中柔太朗ボイスで再生してください)となっちゃったりする。ラブストーリーにおいても、運命の出会いより、“振り返ったらそこ(身近)にいた”っていう感じの物語を好みますよね?
ちなみに、わたしも3人のなかだったら虎太郎を選ぶ。だからこそ分かる。虎太郎推しは恋愛におけるサンクコストに弱い。「もう、〇年も付き合ってきたんだから」とか、「また、最初から分かり合うまでの過程を経るのが面倒くさい」とか、賞味期限の切れた恋を、冷蔵庫に保管しがち。いや、でも、虎太郎との愛なら冷めないので、関係ないか。
■シマケン推しは、「意外と〇〇だよね」に弱いっ!
シマケンは、シングルマザーになったばかりのりんが働き始めたとき、店にお客さんとしてやって来た“謎の男”。明らかに闇がある。ただ、シマケン推しの友人・Aちゃんによると、「その闇が沼」らしい。ちなみに、3人のなかで、りんに選ばれたのも、シマケンだ(すぐにさよならしちゃったけど)。ただ、りんは、闇に沼を感じたから好きになったわけじゃない。
物語の序盤、シマケンがりんのなかにあるナースへのモヤモヤを言語化してくれた場面があった(※)。おそらく、りんはそのあたりでシマケンのことを“特別”だと思い始めたのではないだろうか。
※第18話で、シマケンがりんに「自分への偏見なんじゃない?」「ナースになると再婚が遅れると悩んでいるのでは?」と指摘し、りんがハッとする場面がある
筆者の周囲にも、シマケンにノックダウンされている人がたくさんいるのだが、みんなこぞって長女なのが面白い。いや、もちろん偶然なんだろうけど、よくよく考えたら、りんも長女。長女Aちゃんによると、しっかり者ポジションを担うことが多いからこそ、「大丈夫だよ」と強がっても、「本当に?」と一歩踏み込んでくれそうなシマケンに惹かれるらしい。
たしかに、虎太郎は言葉の裏をあまり読まなさそうだし、横沢は聞いてくれたとしても、「俺、気を遣えてますよね?」というアピールに見えちゃう。
わたしよりも、わたしのこと分かってる……? に弱いのが、シマケン推しあるあるなのかもしれない。ただ、それに弱すぎて、ちょっと核心をつかれただけで運命を感じてしまう危険性も。例えば、「意外と繊細だよね」とか言われたら、好きになるらしい(こちらも、Aちゃん談)。待って、それ占いでもよく使われる手法だから!


