日本の映画界では、漫画やアニメを実写化した作品を目にする機会が多くなった。日本を代表するカルチャーの1つである漫画やアニメの世界で描かれる魅力的なキャラクターたちを、実在の俳優が演じる姿は、時に原作ファンを唸らせることもある。
それは、演じる俳優たちが原作へのリスペクトを持ち、体当たりで撮影に臨んだ結果なのかもしれない。普段の端正な姿からは想像できないような、体を張った演技で撮影に臨む彼らの全力の演技は、実写化作品の見どころとなり、名シーンとして脚光を浴びることも少なくない。
そこで今回は、イケメン俳優たちが見せた、“体張りすぎ”なシーンを厳選してご紹介しよう。
(第4回/全4回)
※本記事には作品の内容を含みます
■「男になった」と語る伝説のシーン!『土竜の唄 潜入捜査官REIJI』菊川玲二役:生田斗真
高橋のぼるさんの漫画『土竜の唄』は、2014年に『土竜の唄 潜入捜査官REIJI』として実写映画化された。三池崇史監督がメガホンを取り、宮藤官九郎さんが脚本を担当した本作は、主人公の菊川玲二を生田斗真さんが演じている。
玲二は、破天荒でありながら一本筋の通った熱い男というキャラクターだ。巡査時代、私利私欲のため悪事を働くスーパーの店長に拳銃を向けたことで懲戒免職となった玲二。しかし、それは彼の素質を買った上層部が、潜入捜査官として起用するための表向きの体裁だったのだ。
悪名名高いヤクザ組織「数寄矢会」の会長・轟周宝を逮捕すべく、その懐に入り込んで証拠を集めるため、玲二はヤクザの構成員となる。そんな彼がヤクザの世界で成り上がっていく姿が、観る人に勇気を与える作品になっている。
ハチャメチャな玲二を演じた生田さんは、作中屈指の名シーンも体当たりの演技で表現している。中でも語り継がれているのが、「洗車機」のシーンだ。本編序盤で、一糸まとわぬ姿で車のボンネットに縛り付けられた生田さんは、そのまま洗車機に入るという、スタントマンも顔負けの過酷なシーンに挑んだ。
インタビューにおいて、“リハーサルで人形を縛り付けて洗車機に入れたところバラバラになっていたのを見て「これを自分でやるのか」と恐怖を感じた”と生田さんは明かしている。撮影は冬の肌寒い中で行われたというが、洗車機に入った感想を“痛いというよりも水圧がスゴくて、息をするのが大変だった”と詳細に語っている。
しかし、このシーンの撮影を終えたことで、“洗車機の中に入った時に男になった”と自身でも手応えも感じたという。生田さんは、いまだにブラシに飲まれていく感覚を覚えていると語るほど、印象深い撮影になったようだ。
数多くの俳優の中でも、実際に洗車機に入った経験のある俳優はどれほどいるだろうか。イケメン人気俳優として数々のドラマや映画に出演してきた生田さんにとって、自身の殻を破る大きな挑戦となった作品であることは間違いないだろう。
CG技術の進歩も目覚ましい現代において、実際に洗車機に入る気概を見せた生田さん。原作でも物語の冒頭に描かれる印象的なシーンだけに、「そこまでやる?」と観客が心配になるほど体を張って挑んだことで、原作に劣らない強烈なインパクトを残す名シーンになっていた。
そんな生田さんの熱演もあり、本作は3作目まで公開される人気シリーズとなった。約7年間に渡って玲二を演じた生田さんは、今やコメディからシリアスまでこなす実力派俳優として確固たる地位を築いている。


