■全身を鋼鉄で覆った「メタル・デビルゾア」と「レッドアイズ」
『闇界決闘記』が発売された同年12月、プレイステーションで発売された『遊☆戯☆王 真デュエルモンスターズ 封印されし記憶』は、古代エジプトと現代を舞台にした物語や迫力ある戦闘が特徴だった。
手札のモンスターを直接組み合わせる独自の融合システムが採用され、終盤には高い攻撃力を持つモンスターが次々と登場するなど、難易度の高い作品でもあった。
封入されたカードは全5種類からランダムで3枚。その中でも、シークレットレア仕様の「メタル・デビルゾア」と「レッドアイズ・ブラックメタルドラゴン」は、名前からイラストまで隙のないカッコよさだった。
「メタル・デビルゾア」は、悪魔の肉体を青黒い装甲と機械部品が覆う重厚な姿。「レッドアイズ・ブラックメタルドラゴン」は、作中キャラ・城之内克也が愛用する「真紅眼の黒竜」の骨格を残しながら、全身を鋭い金属装甲へと変化させている。モンスターを「メタル化」するという設定だけでも、当時の少年たちには十分な魅力があった。
ただし性能面では扱いにくく、「メタル化・魔法反射装甲」を装備した元のモンスターをリリースし、デッキから特殊召喚する必要がある。攻撃力はそれぞれ3000と2800だが、複数枚をそろえる手間に対して追加効果はなく、どちらかというと実戦面よりビジュアルに価値を感じた2枚だった。
ゲーム本編の演出はプレイステーション特有の3D仕様で表現され、独自の融合システムや機械化したモンスターカードの影響もあって、新たな『遊☆戯☆王』ゲームを印象付けた作品だ。
■どの神を選ぶ? 3本すべて欲しくなった「三幻神」
ゲーム限定カードが定番となり、その人気が頂点に達した作品として外せないのが、2000年12月発売の『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ4 最強決闘者戦記』だ。
本作は「遊戯デッキ」「海馬デッキ」「城之内デッキ」の3種類が同時発売された。モンスターのレベルは攻撃力や守備力に応じて設定され、そのレベルによって必要な生け贄の数が決まるという独自仕様だった。
そして予約特典として用意されたカードが、遊戯デッキの「オシリスの天空竜」、海馬デッキの「オベリスクの巨神兵」、城之内デッキの「ラーの翼神竜」の三幻神である。
赤、青、黄色の専用色を使ったカード枠に、神々しいモンスターの姿とシークレットレアの輝き。フレーバーテキストには原作の神秘性を強調する文章が記されており、「神のカード」をそのまま所有しているような興奮を味わえた。
公式デュエルでは使用できないコレクターズアイテムだが、原作で最上位に位置する三幻神という特別感は、当時の子どもたちを夢中にさせた。3体をそろえるにはソフトをすべて買うか、トレードで入手する必要がある。筆者は「ラーの翼神竜」を選んだが、圧倒的な破壊力を持つ「オベリスクの巨神兵」がどうしても欲しくなり、シークレットレアカード3枚を生け贄に、友人から何とか手に入れたことを憶えている。
その注目度は販売本数にも表れ、メーカー公表の累計本数は、2004年12月末時点で国内218万本を記録。ゲームの内容だけでなく、「どの神を選ぶか」が購入時の大きな悩みとなった作品である。
このように『遊☆戯☆王』ゲームの限定カードには、実用性だけでは説明できない魅力がたくさん詰まっていた。当時『遊☆戯☆王』に夢中になった多くの平成男子にとって、忘れられない思い出になっているはずだ。


