青山剛昌氏による大人気シリーズ『名探偵コナン』。本作では、主人公・江戸川コナン(工藤新一)と、謎に包まれた巨大犯罪組織「黒ずくめの組織」との激しい攻防が描かれてきた。
しかも、その組織の内部には「NOC/ノック(Non Official Cover)」と呼ばれる潜入捜査官が存在する。彼らは世界各国の情報機関や捜査機関から送り込まれた選りすぐりの精鋭であり、身分を偽って組織の内部に深く入り込み、外部からは入手できない機密情報の収集や工作活動を行っているのだ。正体がバレれば、組織によって抹殺される。文字通り、命をかけて組織と戦っているのである。
今回は、作中で正体が明らかになっているNOCたちを整理し、それぞれの動向や背景を振り返る。あらためて彼らの歩みを振り返っておくことで、今後の黒ずくめの組織をめぐる展開を、一層楽しめるはずだ。
※本記事には作品の内容を含みます。
■現在も潜入を続ける2人…組織の中枢に食い込む公安とCIA
まず1人目は、安室透。おそらく本作で最も有名なNOCだろう。
ふだんは毛利探偵事務所の階下にある「喫茶ポアロ」で働きながら、毛利小五郎の一番弟子として探偵活動をしている。そんな彼の正体は、警察庁警備局警備企画課、通称「ゼロ」に所属する公安警察官・降谷零だ。
組織内でのコードネームは「バーボン」、役割は「探り屋」である。優れた情報収集能力に加えて、卓越した観察力と洞察力を持っており、組織内でも一目置かれる存在だ。その能力は組織No.2のラムから直接任務を託されるほど評価されており、組織の深くまで食い込んでいる。
もう1人は「キール」こと水無怜奈。当初、日売テレビの人気アナウンサーとして登場した彼女だが、黒ずくめの組織の一員としてFBIに身柄を確保される。そこで、その正体がCIAの諜報員・本堂瑛海であることが明らかになった。
その後、弟・瑛佑に証人保護プログラムを適用することを条件にFBIとも手を組み、再び組織へ戻って潜入捜査を続けている。なお、現在は日売テレビを退局している。
安室と水無。この2人は現在も、組織の内部で命がけの極秘任務を続けているのである。
■正体が露見したNOCたち…命を落とした3人と生き残った赤井
しかし、すべてのNOCが無事に潜入を続けられたわけではない。正体が露見し、過酷な運命をたどった者もいる。ここからは、かつてNOCだったイーサン・本堂とその相棒・バーニィ、諸伏景光、そして赤井秀一の4名を紹介する。
イーサン・本堂は、前述した怜奈(キール)の父親だ。彼は日系二世のアメリカ人で、CIAの諜報員として活動していた。
怜奈と仲間のバーニィとともに組織へ潜入していたが、怜奈がCIAの潜入捜査官であることが露見しかけた際、その疑いを逸らすために自分が怜奈に殺害されたように偽装、自ら命を絶つという壮絶な最期を遂げた。その相棒であったバーニィもまた、自身に組織の手が迫っていることに気づき、情報漏洩を防ぐため、自ら命を絶っている。
諸伏景光は、警視庁公安部に所属していた警察官である。長野県警捜査一課警部・諸伏高明の実弟で、降谷とは幼なじみの大親友である。
彼は「スコッチ」というコードネームで組織に潜入していたが、組織に正体を知られてしまう。そこで諸伏は公安の仲間や家族につながる情報を守るため、赤井秀一の拳銃を使って自ら命を絶った。この景光の死は、現在の安室と赤井の間にある深い因縁にもつながっている。
最後は、その赤井だ。降谷(安室)と並ぶ本作を代表するNOCだろう。彼は優秀なFBI捜査官であり、截拳道(ジークンドー)の達人にして、超長距離狙撃もこなす凄腕のスナイパーだ。
彼はその卓越した能力で組織に潜入すると、わずか1年で「ライ」のコードネームを与えられ、順調に組織の中枢へと迫っていた。しかし、同僚のFBI捜査官アンドレ・キャメルのミスがきっかけとなり、組織にその正体が露見し、逃亡を余儀なくされた。
裏切り者として組織から命を狙われることになった赤井は、その後、怜奈(キール)と協力して自らの死を偽装。現在は大学院生の「沖矢昴」という別人に姿を変え、工藤邸に潜伏。組織を壊滅させ得る「銀の弾丸(シルバーブレット)」として、黒ずくめの組織と戦い続けている。


