■八代目・痣城剣八!「常時卍解」を操る異端の剣八

 刳屋敷から名を受け継ぎ、八代目剣八となった痣城剣八は、その人物像も戦い方も、歴代の剣八とは大きく異なっていた。

 彼は感情をほとんど見せず、ただ虚(ホロウ)を効率よく駆逐することだけを追求する冷徹な合理主義者。護廷十三隊の中で最も手っ取り早く実力を振るえるという理由だけで十一番隊を選び、刳屋敷に決闘を挑んで「剣八」の名を奪ったのである。

 痣城の能力を象徴するのが、斬魄刀「雨露柘榴(うろざくろ)」だ。この斬魄刀は始解を経ず、常に卍解状態にあるという常識外れの刀で、その能力は「融合」。霊体や物質、空気や空間そのものと自身を同化させ、自在に支配・操作することができる。

 この能力により、彼は五感に頼ることなく、同化した空間そのものを把握する。そのため、あの藍染惣右介の「鏡花水月」による完全催眠すら、彼には通用しないとされているのだ。

 しかし、その異常な思想からやがて大罪を犯してしまい、彼は自ら無間へと収監される道を選ぶ。結果、「剣八」の名は空席となり、当時の十一番隊副隊長が特例として九代目を襲名することになった。

■九代目、十代目を経て…「剣八」の名は更木へ

 九代目となった死神については、名前を含めて詳しい情報がほとんど明かされていない。分かっているのは、先代の痣城を恐れて逃げ回った末に、次の十代目・鬼厳城(きがんじょう)剣八に討たれたということだけだ。

 十代目となった鬼厳城は、巨体を誇る荒々しい男で、粗暴かつ怠惰な人物だった。隊員からも嫌われ、作中では当時の五番隊隊長・平子真子から「ブタみたいな奴」と酷評されていた。

 一方で、次代の更木が「歴代初の卍解未習得の隊長」とされていることから、鬼厳城は卍解を習得しており、隊長を務めるだけの戦闘能力は持ち合わせていたと思われる。

 なお、アニメオリジナルの「バウント篇」にも十代目剣八を名乗る人物が登場するが、こちらは鬼厳城とは性格も設定も異なる人物として描かれている。そのため、「バウント篇」で登場した十代目剣八は、原作・小説とは異なるアニメオリジナル設定の剣八ということになるだろう。

 そして、この粗暴な鬼厳城の前に、前触れもなくふらりと現れた男こそ、斬魄刀の名すら知らぬ男——更木であった。

 更木は鬼厳城を一瞬で叩き伏せ、その命とともに十一代目「剣八」の座を奪い取った。こうして、初代・卯ノ花八千流から続く死神最強の称号「剣八」は、更木剣八へと受け継がれることになったのである。

 

 こうして歴代剣八の系譜を紐解くと、「剣八」という称号が決して戦闘力だけでは語れない、さまざまな個性を持った死神たちに受け継がれてきたことが分かる。

 初代・卯ノ花の残虐性と贖罪。七代目・刳屋敷の豪快さと仲間への愛。八代目・痣城の異常なまでの合理性。そして、ただ強敵との斬り合いを求めて目の前の強敵を叩き潰してきた更木剣八。

 卯ノ花から始まり、刳屋敷、痣城、そして九代目、十代目へと受け継がれてきた「剣八」の称号。その長い系譜の先に立つからこそ、更木剣八という男の強さがより鮮烈に映るのである。

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