ユーベルが執着するのも納得…『葬送のフリーレン』クールすぎる天才魔法使い・ラントの“異質な魅力”の画像
※画像は2025年4月15日に投稿された『葬送のフリーレン』アニメ公式X(@Anime_Frieren)のポストより

 『葬送のフリーレン』(原作・山田鐘人氏、作画・アベツカサ氏)において、物語の大きな節目となった「一級魔法使い試験編」。フリーレンとフェルンをはじめ、個性的な魔法使いたちが数多く登場したなか、独特の存在感を放っていたのがラントである。

 ラントは、作中でも屈指の実力を誇りながら、感情をほとんど表に出さない冷静沈着で飄々とした青年だ。そんなミステリアスな彼に対し、危険な魔法の使い手であるユーベルは強い興味を抱き、「メガネ君」と呼びながら何かと距離を縮めようとする。

 一見すると対照的な性格ながら、不思議と息の合うやり取りを見せる2人。その関係性を見て「良いコンビ」と感じた読者も少なくないだろう。

 そこで今回は、ユーベルが惹かれたのも納得の、クールな天才魔法使い・ラントが持つ不思議な魅力を深掘りしてみたい。

 

※本記事には作品の内容を含みます。

 

■第一次試験、分身魔法で見せたクールすぎる立ち回り

 一級魔法使い試験の第一次試験は、パーティーごとに“隕鉄鳥(シュティレ)”という鳥を捕獲する過酷な争奪戦だった。

 そこでフェルンやユーベルと同じ第4パーティーになったラント。隕鉄鳥を確保した直後、一行の前にヴィアベルたち第8パーティーが立ちはだかり、ラントはシャルフと対峙することになる。

 自然豊かな森林が広がる第一次試験会場は、無数の花弁を自在に操る「花弁を鋼鉄に変える魔法(ジュベラード)」を得意とするシャルフにとって、まさに絶好の舞台だった。事実、ラントは鋼鉄と化した無数の花弁によって深手を負わされてしまう。

 しかし、その状況下でも彼は冷静さを失わず、シャルフの魔法を分析。その魔法が独学で習得されたものであり、魔法使いの基礎である魔力探知を不得手とする“我流”の魔法使いであることまで見抜く。

 勝利を確信したシャルフが降伏を勧めたその時、ラントは「だから、これは戦う前の様子見なんだって」と一言。その直後、シャルフの魔力探知の隙を突いて、もう1人のラントが出現。背後へと回り込み、首元へ軽い電撃を流して勝負を決めた。深手を負っていたはずのラントは彼が得意とする分身魔法で出した“自分の複製”であり、そのまま消えていった。

 力でねじ伏せるのではなく、相手を冷静に分析し、その弱点を突いて最小限の動きで的確に勝利をおさめる。そのクールすぎる立ち回りは、読者へ鮮烈な印象を残した。

■第二次試験、ユーベルと見せた不思議な関係性

 ラントの魅力を語るうえで欠かせないのが、ユーベルとの関係性だ。第一次試験を終えた魔法都市オイサーストでは、ユーベルがラントに対して積極的に距離を縮めようとする姿が描かれている。

 「相手に共感することで、その者が使う魔法を自分のものにする」という特殊な能力を持つユーベルは、執拗にラントに絡んで彼を知ろうとする。そこには、ラントの魔法を習得したいという目的だけでなく、その人となりをもっと知りたいという純粋な好奇心もあったからだろう。

 飄々とかわすラントと、それに構わず絡み続けるユーベルが2人で食事をするシーンは、緊張感のある「一級魔法使い試験編」の中でどこかほほ笑ましく印象的な場面だ。

 この独特な2人の関係性は、第二次試験の「零落の王墓」攻略でさらに色濃く描かれることになる。

 迷宮内で遭遇したユーベルの複製体に脱出用ゴーレムの瓶を奪われ、致命傷を負って身動きが取れなくなってしまったラント。するとユーベルは、一切のためらいもなく自らの脱出用ゴーレムをラントに渡し、自身は複製体との戦いを選ぶ。

 ラントを助けたことで、今度は絶体絶命の窮地に陥ったユーベル。しかし、そんな彼女のもとに無事だったもう1人のラントが駆けつけ、複製体を撃破するのだった。

 ふだんは他人への興味がないように振る舞いながらも、自分のために誰かが死ぬことを良しとしないラント。そして魔法への探究心と好奇心から、自らの命さえあっさりかけてまで彼を理解しようとするユーベル。この対照的な2人は、なんだかんだで「良いコンビ」に見えてしまうのだから不思議である。

  1. 1
  2. 2
  3. 3