■生まれながらの規格外!? 笑顔の裏に底知れぬ力を秘めた二世…黒崎一勇
父親が規格外の強さを誇るうえに、さらに母親の能力まで加わる。その無限の可能性で異彩を放つ二世キャラクターが『BLEACH』(久保帯人さん)の黒崎一勇である。
一勇の父・黒崎一護は、死神、虚(ホロウ)、滅却師(クインシー)、そして人間という複数のルーツの力を併せ持つ、まさに“属性てんこ盛り”の特異な存在だった。
さらに母・井上織姫も「盾舜六花」という特殊な能力を持つ完現術者(フルブリンガー)である。その息子・一勇は、父から死神、虚、滅却師の力を受け継ぎ、さらに母の能力まで宿している可能性があり、生まれながらにして規格外のポテンシャルを秘めた存在なのである。
その片鱗が描かれたのが、「千年血戦篇」後の最終話だ。幼い一勇は、尸魂界に残されたユーハバッハの力の残滓に触れると、それを一瞬で消滅させた。残滓とはいえ、一護たちが総力を挙げてようやく倒した最強のラスボスの力を、幼い子どもが、いとも簡単に消し去ったのである。
しかし一勇の場合、その強大な力だけでなく、不気味な底知れなさも際立つ。本編完結後に発表された読み切り作品『BLEACH 獄頤鳴鳴篇』で再登場した際は、地獄由来と思われる3つの目玉を呼び出し、ラストシーンでは地獄の門に張り付く2体の骸骨に向かって笑顔を見せるなど、その幼さとは裏腹に異様な存在感を放っていたのだ。
ボルトや悟飯と比べると描かれた活躍はわずかながら、一勇の能力の全貌はいまだ謎に包まれている。しかし、秘めたポテンシャルの大きさだけで言えば、数あるバトル漫画の二世キャラクターの中でも屈指の存在といえるだろう。
今回紹介したボルト、悟飯、一勇は、いずれも生まれながらに規格外の才能を秘め、偉大な親すら超える可能性を感じさせる二世キャラクターである。
しかし、ナルト、悟空、一護は長年にわたって物語を牽引し、多くの読者に愛されてきた偉大な主人公だ。たとえ彼らが戦闘能力において父を上回る面があったとしても、その人気や存在感まで超えることは容易ではないはずだ。
だからこそ、どのように偉大な父たちとは異なる輝きを放つのか。そこに至るまでの歩みこそ、二世キャラクターにとって最大の見せ場であり魅力なのである。


