■マンガへの情熱と大胆なパロディが光る『これ描いて死ね』
最後に紹介するアニメ『これ描いて死ね』は、『ゲッサン』(小学館)で2021年から連載中のとよ田みのる氏の同名漫画が原作。主人公の安海相(やすみ・あい)を中心に、漫画を愛する女子高生たちが、創作の喜びや難しさと向き合いながら成長していく姿が描かれている。
第3話では、担任教師であり、相の大好きな漫画『ロボ太とポコ太』の作者でもある元漫画家・手島零の過去が描かれた。若き日の彼女は漫画へ人生をかけるほどの情熱を抱き、「これ描いて死ね」というほどの覚悟で創作に向き合っていたことが明かされた。
タイトルにつながる一連の描写は視聴者の胸を強く打ち、続く第4話では漫画研究会の活動が本格始動。相は、作画を担う藤森心や批評役の赤福幸らとともに、それぞれの得意分野を生かして作品を完成させた。
創作活動にはげむ視聴者からの反響も多く「同人を描いてた頃を思い出して泣きそう」「何回この作品に泣かされるのだろう」「いいアニメだなぁ」と、心を洗われる視聴者が続出中。
また第4話のラストでは、転入生の石龍光が、手島が自分の憧れる漫画家だと知り、突然キスをする驚きのシーンが描かれた。そのポーズと「ズキュウウウウン」の効果音は、『ジョジョの奇妙な冒険』のディオ・ブランドーを思わせる大胆な演出になっており、SNSでは「まさかここでDIOパロディ」「最後で全部持っていかれた」と大きな反響があった。
漫画を描く喜びや苦しさを真摯に描きつつ、時には思い切ったパロディで笑わせる振り幅が本作の魅力。創作に打ち込む少女たちが、これからどのような作品を生み出していくのかも楽しみだ。
今回紹介した作品以外にも、それぞれ異なる魅力で視聴者の心をつかみ、SNSで称賛されている夏アニメは多い。終盤戦に向けて物語はどのように展開されていくのか、引き続き注目したい。


