■SNSで考察が大盛り上がり!オリジナルアニメ『さよならララ』
『さよならララ』は、キネマシトラスの15周年を記念して制作されたオリジナルアニメだ。アンデルセン童話の『人魚姫』をモチーフに、200年の時を経て現代日本に蘇った人魚の少女・ララが、人間として新たな人生を送るファンタジードラマとなっている。
放送前から、セル画を思わせるキャラクターの輪郭線や、絵本のような背景美術が話題になった本作。序盤でララは、地上で出会った女子高生ボクサー・大津茉里の家に居候することになるが、海では当たり前だった価値観が通用しない人間社会での生活に戸惑うことになる。それでも彼女は「本当の愛」を知るため、運命の相手である王子を探すことを決意した。
しかしララが前向きに行動した結果、お金が何かも知らないのに大量のバウムクーヘンをネット注文したり、ボクシングの試合を殺し合いと勘違いして乱入したりと、お騒がせ行動を繰り返す。彼女のフットワークの軽さが巻き起こすトラブルは、視聴者を大いに楽しませてくれる。
また本作の大きな魅力として、原作がないオリジナルアニメだからこその予測不能なストーリーが挙げられる。直近のエピソードでは、ララの姉であるリサがなぜか人間の姿で登場したり、琵琶湖上に謎の浮遊物体が出現したりと、毎週のように謎や伏線が提示されるため、SNSでは連日のように視聴者の考察が繰り広げられているのも特徴だ。
少しずつ距離が近づいているララと茉里の関係や、ララが本当の愛を見つけたときに何が起こるのかなど、今後のストーリーから目が離せない。
■実写表現や平成感あふれる演出…遊び心がパワーアップ!『逃げ上手の若君』(第2期)
次に紹介する『逃げ上手の若君』(第2期)は、『週刊少年ジャンプ』(集英社)で2021年から2026年まで連載されていた松井優征氏の漫画をアニメ化した作品だ。鎌倉幕府滅亡後、父である北条高時を失った少年・北条時行が「戦って勝つ」のではなく、「逃げて生き延びる」才能を武器に仲間とともに再起を目指す異色の英雄譚だ。
第2期は、講談師・一龍斎貞鏡氏が実写で登場し、第1期の物語を講談調で振り返る場面からスタート。さらに作中でも最大の敵である足利尊氏のおぞましさが、異形の化け物の実写映像で表現されるなど、型にはまらない演出で視聴者に大きなインパクトを与えた。
また、敵に正体を見破られないよう、主人公の時行が問答を練習した第14話「亜也子のドキドキ❤︎大作戦!」では、恋愛シミュレーションゲーム『ときめきメモリアル』を彷彿とさせる画面演出や選択肢などが現れた。平成世代にはたまらないパロディ表現に、「腹筋が壊れた」「制作陣の年齢が分かる」とSNSでも反響を呼んでいる。
そして作中で流れた時行の郎党の一人・亜也子(CV:鈴代紗弓)が歌うキャラクターソング『今すぐOTETSUKI☆』も強烈だ。その曲調や中毒性の高いサビのフレーズから「平成感が漂うお手つき推奨ソングに時代感覚が狂う」「今の時代にキャラソンは懐かしすぎる」とこちらも好評である。
重厚な歴史ドラマを描きながら、実写映像や平成パロディ、キャラクターソングまで盛り込む自由な演出の数々は本作ならでは。第1期以上にパワーアップした制作陣の遊び心に今後も期待したい。


