■懐かしのゲームや報道番組が次々に登場!

 平成感あふれる演出は、エピソード内でも顕著だった。

 第2話では、敵に正体を見破られないよう主人公の時行が問答を練習する場面で、恋愛シミュレーションゲーム『ときめきメモリアル』ならぬ、「ときゆきメモリアル」が登場。ゲームのように貞宗への返答を選択肢から選ぶ画面が現れ、頼重と時行が攻略に挑むような演出で笑いを誘った。

 さらに終盤では、亜也子が時行への思いを歌うキャラクターソング『今すぐOTETSUKI☆』が挿入歌として流れた。令和のアニメではあまり見られなくなったキャラソンは、平成アニメを見てきた世代の目に懐かしく映ったようで、「今の時代にキャラソンは懐かしすぎる」「ほんまにやり放題で大好き」と、平成アニメを思わせる演出を楽しむ声が続出した。

 続く第3話では、諏訪神党三大将のひとり・海野幸康が、女性への欲を鍛錬に向け続けたことで強さを得たという話が登場。実写映像と重々しいナレーションで、その説を検証するシーンが描かれる。

 それは平成期に放送された情報番組『特命リサーチ200X』を思わせる、あまりにも大がかりなパロディだった。

 さらに3つの戦場の兵力や布陣を説明する場面では、突然画面がスーパーファミコン時代の戦略シミュレーションゲームを思わせるピクセルアート調に変化。歴史ものの戦況説明を、平成のテレビ番組やゲーム画面の形式に置き換える大胆な演出は視聴者にも刺さったようだ。SNSには「特命リサーチ懐かしすぎる」「制作陣でも若い人は知らないでしょ(笑)」「ゲームを出してほしい」といった声が数多く寄せられていた。

 

 重厚な歴史ドラマと平成パロディを共存させた『逃げ上手の若君』。第2期では物語が大きく動き始める一方、元ネタを知る視聴者には懐かしく、知らない層にも突飛な描写として強烈なインパクトを残した演出が続いている。今後はどのような表現で視聴者を驚かせてくれるのか、次の放送にも注目したい。

 

  1. 1
  2. 2
  3. 3