■ガンマンとの早撃ち対決「プロフェッショナル魂」
ここまでメーテルの華麗なサーベルさばきを紹介してきたが、実はメーテルは拳銃の扱いもプロ級だ。その事実が明らかになったエピソードが、「プロフェッショナル魂」である。
さまざまな分野のプロフェッショナルが集まる「思い出星」に到着した999号。駅に降り立つ際、メーテルは鉄郎に「決して人の目を見てはいけない」と忠告するが、鉄郎はうっかりプロのガンマンと目を合わせてしまう。
その結果、鉄郎はそのガンマンから強引に早撃ちの訓練を強制されるはめになり、終わりのない過酷な特訓によって身も心もすり減らしていく。そんな鉄郎を救うため、メーテルは凄腕ガンマンを相手に1対1の決闘を挑むのである。
互いがしばらく見つめ合う緊迫した空気の中、メーテルは神業ともいえる早撃ちで、宇宙最強クラスとされるガンマンを見事に倒した。『銀河鉄道999』では鉄郎の銃撃シーンが印象的だが、この一連の流れを見ると、実は鉄郎よりもメーテルのほうが銃の腕前も上なのかもしれない。
「思い出星」の住人は、その道のプロが長い旅路の果てに行き着く場所だ。このガンマンもかつて本職だった早撃ちのテクニックを鉄郎に伝えたかっただけであり、鉄郎を殺すつもりはなかったという。そんな彼を撃たざるをえなかったメーテルは静かに涙を流し、旅立つ列車の中で「でも、私はあの星の人たちがとても好きよ」とつぶやくのである。
メーテルは冷徹な女戦士の側面だけでなく、優しい心の持ち主であることもよく分かるエピソードだ。
このように、メーテルは非常に高い戦闘能力を秘めており、いざという時には圧巻の強さを見せつける。ふだんのたおやかで知的なイメージとは裏腹に、一度敵に回すとこれほど恐ろしい存在はいないだろう。
圧倒的な母性と優しさの裏に隠された、最強クラスの“武闘派”な一面。そのギャップこそが、メーテルという謎多き女性の魅力をさらに引き上げているのである。


