■心霊写真や恐怖体験エピソードが怖かった『2時のワイドショー』
読売テレビ制作の『2時のワイドショー』は、1979年から1992年の平日午後2時台に放送されていた番組だ。芸能情報や時事問題のほか、嫁姑問題や夫婦関係など幅広い話題を扱い、主婦層を中心に支持された。
この番組もまた、夏になると心霊・怪奇現象などをピックアップし、夏休みの子どもたちを大いに怖がらせている。
『あなたの知らない世界』に勝るとも劣らない恐怖企画は、冒頭のタイトルから強烈なインパクトを放っていた。
たとえば、1986年8月のテレビ欄のタイトルを振り返ると、11日「恐怖!湖面に漂う変死者の怨霊」、12日「沼地の呪い! 夜ごと枕元に生首」、15日「心霊写真!葬儀に首のない霊」といった内容が並んでいる。どれも絶対に経験したくない悪夢のような内容ばかりだ。
特に、視聴者に強烈な印象を残したのが、“心霊写真”のコーナーである。風景写真や集合写真に写り込んだ不可解な人影や物体を専門家が鑑定するという内容で、見るのも怖い心霊写真の数々は、当時の子どもにとって恐怖の象徴だった。
この番組の影響もあってか、学校行事の写真が校内に張り出されると、岩などに写った人影らしき模様を指して「これって心霊写真じゃない?」と騒ぐのが一種のブームになった。子どもたちの間で“心霊写真探し”を流行させたきっかけにもなった番組かもしれない。
■【番外編】未確認生命体にドキドキ!『川口浩探検シリーズ』
怪奇や心霊ものとは少々毛色が変わるが、最後は1970年代後半〜1980年代半ばに放送された『川口浩探検シリーズ』を紹介したい。
テレビ朝日系列の『水曜スペシャル』枠で放送されていたこの企画は、俳優・川口浩さんを隊長とする探検隊が、世界各地の未踏の地に足を踏み入れ、伝説の生き物や未確認生物(UMA)などの謎に迫るというものであった。
今となっては過剰な演出を指摘する声もあるが、当時は多くの子どもたちが探検隊の活躍に夢中になり、絶大な人気を誇っていた。
各回のタイトルは「恐怖! 双頭の巨大怪蛇ゴーグ! 南部タイ秘境に蛇島カウングの魔神は実在した!!」や「謎の原始猿人バーゴンは実在した! パラワン島奥地絶壁洞穴に黒い野人を追え!」など、見る者の好奇心をくすぐるものばかりで、恐怖と興味が入り交じった複雑な感覚を覚えたものである。
心霊現象のような背筋が凍るような恐怖とは違うが、「そのとき我々は発見した!」というナレーションとともに突如ヘビが現れたり、隊員が急に吊るされるなどのスリリングな展開に、いつもハラハラさせられた。
この番組の影響力は大きく、遠足などで山に行くと「バーゴンがいるかも!」と騒ぎだすクラスメイトもいたほどである。『川口浩探検シリーズ』は子どもたちに「世界のどこかに、こんな生物がいるかもしれない」と想像する楽しみを与えてくれた番組であった。
昭和の夏のテレビ欄をチェックすると、ほとんどの民放局で「夏休み怪奇ホラースペシャル」といった特番が19時頃から放送されていた。ゴールデンタイムにこぞって特別番組が組まれるほど、昭和の夏休みは子どもから大人まで恐怖番組にクギづけだったのだ。
CGやAIなどがなかった時代だからこそ、視聴者はテレビに映し出される映像を「本物かもしれない」と信じ、心から怖がることができたのだろう。今となっては、そんな昭和の夏を少し羨ましく思えるのである。


