■富士山のために殺人…!?

 2001年に公開された第5作『天国へのカウントダウン』の犯行動機も凄まじい。

 本作では、西多摩市の超高層ビル・ツインタワービルのオーナーとその建設に関わった市議会議員が殺害されてしまう。犯人は富士山の絵で有名な日本画家・如月峰水で、彼らを殺害した理由は“ツインタワービルを建設したから”である。

 如月はかつて自身の創作活動のため、富士山が一望できる丘へ何度も足を運んでいた。しかし、年齢とともに行き来が困難になったため、その丘の周辺を買い取ってアトリエ兼自宅を建てることにする。

 こうして、愛する富士山とともに日々を過ごしていた如月だったが、ある日突然すべてがぶち壊されてしまう。建築に関する条例の改正によって建設されたツインタワービルのせいで、それまで美しく見えていた富士山が遮られるかたちになってしまったのである。

 これは如月にとって絶望でしかなかった。大金を払って終の住処を見つけたのに、それをめちゃくちゃにされてしまったからだ。しかも被害者の1人であるオーナーは、如月の弟子だったにもかかわらず強引にビルの建設を進めた。裏切られたような気持ちも、彼の憎しみに拍車をかけたことだろう。

 金や利権のゴタゴタが絡んだぶん、上で紹介した2人に比べれば多少同情の余地はあるが、美しい富士山のために人を殺めたと思うと複雑な気持ちにさせられる。

 

 劇場版『名探偵コナン』に出てくる犯人は、一筋縄ではいかない人物ばかりだ。まともな考えの持ち主であれば世間を揺るがすような事件は起こさない……ということなのかもしれない。

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