2026年1月30日から公開された映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』は興行収入27億円を突破し、前作を大幅に上回る人気を獲得した。
『閃光のハサウェイ』の映画は3部作で展開されるが、その2作目となる『キルケーの魔女』では、原作小説には登場しない新たなモビルスーツ「アリュゼウス」などが登場。映画独自の展開も描かれて話題を呼んだ。
そして、中でもガンダムファンを驚かせたのは、劇中でチラッと映った「リ・ガズィ・カスタム」の姿だろう。同機は映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』でアムロ・レイが搭乗し、「ガンダムもどき」と呼ばれたリ・ガズィの発展機だ。
リ・ガズィ・カスタムの設定が存在することは知っていた人も多いだろうが、ここにきて映像作品に登場したのは驚きもあった。そこで今回は意外な設定も多かった、リ・ガズィのバリエーションについて振り返ってみたい。
※本記事には各作品の内容を含みます。
■『キルケーの魔女』で映像作品初登場し大反響!
先にも触れた「リ・ガズィ・カスタム(RGZ-91B)」は、映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』に登場したモビルスーツ設定をさらに広げる公式設定企画『CCA-MSV』にて初登場した機体である。
これまで『SDガンダム Gジェネレーション』シリーズなどのゲームには登場していたが、満を持して映画『キルケーの魔女』で一瞬とはいえ映像化された。
アムロ・レイ専用機としてリ・ガズィを再設計した機体だが、追加装備によって戦闘機形態を実現する「バック・ウェポン・システム」は機体に一体化され、完全な可変機となっているのが特長。さまざまな状況に応じて自在に変形できるため、ベース機であるリ・ガズィよりも汎用性は増したといえるだろう。
また、アムロの専用機として再設計されたためか、リ・ガズィにはなかったガンダムタイプの特徴である額のV字アンテナまで備えている。
武装も大幅に強化されておりビーム・サーベルは、出力がより向上し、戦闘機状態の時はビーム・キャノンにもなる「ハイパー・ビーム・サーベル」に。ライフルも普通のビーム・ライフルではなく、連射が可能な「ビーム・アサルト・ライフル」を装備する。
ビーム・アサルト・ライフルのデザインは実在するアサルトライフルの「AK-47」によく似ており、『キルケーの魔女』でもこの武装の形状を見て、リ・ガズィ・カスタムだと気がついたファンも多いのではないだろうか。
書籍『週刊ガンダム・モビルスーツ・バイブル 22号』(デアゴスティーニ・ジャパン)によれば、νガンダムが完成したことでリ・ガズィ・カスタムの開発は凍結され、計画のみの幻の機体とされていた。アムロのために設計され、幻とされていた機体が、実際にアニメ映像に登場したことは感慨深い。
■量産型可変機の1つの完成形
リ・ガズィは、Zガンダムの簡易量産型を目指して開発されたが、コストのかかる変形機構の採用には問題があり、オプション兵装であるバック・ウェポン・システムによって強引に補った。
そして、そのリ・ガズィのコンセプトを受け継ぎ、より簡易な変形システムと量産機であるジェガンのパーツを共通化するなどのコストダウンを図ったうえで、可変機として量産化されたのが「リゼル」である。
リ・ガズィ(RGZ-91)の名称は「リファイン・ガンダム・ゼータ」の略だったが、リゼルは「リファイン・ゼータ・ガンダム・エスコート・リーダー」の略であり、型式番号はRGZ-95。まさにリ・ガズィから連なるZガンダム量産化計画の集大成ともいえる機体だ。
OVA『機動戦士ガンダムUC』に登場したリゼルは通常機のほかに、リミッターを解除したコマンダータイプや、ディフェンサーユニットと呼ばれる専用の追加兵装を装備したタイプ、カラーリングの異なるゼネラル・レビル配備機などのバリエーションも見られ、相当数が量産されていたことがうかがえる。
携行するビーム・ライフルも、Zガンダムと同系統のロング・ビーム・ライフルを量産して採用。出力の調整ができるため、通常射撃と高出力モードによる照射、通称「ギロチン・バースト」も可能だ。高出力ビームを薙ぎ払うように撃ち、巨大なビーム・サーベルのように用いることもできた。


