作家の東野圭吾さんが、2026年7月23日に病気のため亡くなった。国内累計発行部数が1億部を突破している国民的ミステリー作家の訃報を受け、愛読者はもちろん、芸能界や各界の著名人からも悲しみの声が寄せられている。
東野さんの作品は、テレビドラマや映画として多数映像化されており、小説同様に高い人気を博した。特に連続ドラマにおいては高視聴率を記録した作品も多く、数々のブームを生み出している。
ここでは、東野さん原作による連続ドラマの中でも、特に高視聴率をマークした作品をピックアップし、その内容や当時の人気ぶりを改めて振り返りたい。
※本記事には各作品の内容を含みます
■東野さんのアイデアと名優たちの実力が完璧にマッチした傑作『ガリレオ』
2007年よりフジテレビ系列で放送された『ガリレオ』は、東野さんのミステリーを原作とし、天才物理学者・湯川学の活躍を描いた大ヒットドラマである。
湯川を演じたのは、「実に面白い」の決め台詞でおなじみの福山雅治さん。本シリーズは、湯川と柴咲コウさん演じる刑事・内海薫のバディで幕を開けた。
第1シーズンの大ヒットに続き、2008年には初の映画化『容疑者Xの献身』が公開。物語の鍵を握る天才数学者・石神哲哉を堤真一さんが熱演し、親友同士である湯川と石神のヒリヒリする緊迫した頭脳戦と哀しい駆け引きが観る者の胸を打った。
その後ドラマは2013年に第2シーズンが放送され、内海に替わり、吉高由里子さん演じる若手刑事・岸谷美砂が新たな相棒として加入した。
平均視聴率は第1シーズンが21.9%、第2シーズンが19.9%と高い数字をマーク。そして、2013年には映画第2作『真夏の方程式』が公開された。同作では、杏さん演じるヒロイン・川畑成実を巡る海辺の町の悲しき事件が重厚に描かれている。
さらにスピンオフ作品『ガリレオXX 内海薫最後の事件 愚弄ぶ』を経て、2022年には映画第3作『沈黙のパレード』が公開された。本作では再び内海がバディに復帰し、豪華キャストが織りなす「沈黙」の嘘に迫っている。
ドラマから劇場版へと、魅力的なキャスティングとバディの交代を交えながら難問に挑んできた本シリーズは、東野さんの卓越したアイデアと名優たちの実力が見事にマッチした、時代を代表する傑作である。
そして、2026年8月5日には東野さんの遺作である『ガリレオ』シリーズ最新作『永遠の記憶』が発売された。いつの日か映像化されることが期待される。
■笑いと涙、そして極上のミステリー! クドカン脚本が光る『流星の絆』
2008年にTBS系列の金曜ドラマ枠で放送された『流星の絆』は、同年上半期の小説部門売り上げ第1位に輝いた東野さんのミステリー小説を原作とした大ヒットドラマだ。初回視聴率は21.2%、最終話視聴率は22.6%をマークしている。
本作は小学生のときに両親を何者かに殺害された3兄妹が、時効を迎える前に犯人を捜し出そうと奔走する復讐劇だ。原作の持つ悲壮感や、中島美嘉さんが歌う挿入歌『ORION』の切ない世界観から、重厚でシリアスな作品という印象を受けるかもしれない。
しかし、ドラマ版では脚本家・宮藤官九郎さんによるコメディタッチな演出が見事に融合していた。長男・有明功一(二宮和也さん)、次男・有明泰輔(錦戸亮さん)、末っ子・有明静奈(戸田恵梨香さん)の3兄妹が繰り広げるテンポの良い掛け合いが絶妙なスパイスとなり、シリアスな展開と笑いを誘う場面の緩急が視聴者を虜にした。
放送当時、新米の母だった筆者。残された3兄妹の過酷な境遇に胸を痛めつつも、カッコ良くて頼れる長男「功にぃ」と、ちょっとお調子者だが優しい次男「泰にぃ」がそばにいれば、妹・静奈はきっと安心して育っていけるだろう……と、どこか親目線で見守っていた記憶がある。
全体を通してコミカルなシーンも多い本作だが、最終回では東野作品ならではの重厚なミステリーの種明かしがしっかりと展開される。笑い、感動、推理、そして恋愛要素まで、エンターテインメントのすべてが詰まった名作ドラマである。


