■あの女傑をも怯えさせたジュドーの怒り
序盤はコミカルタッチだった『ガンダムZZ』だが、ジュドーの妹・リィナがネオ・ジオンに捕まったあたりからジュドーも戦いに本腰を入れはじめ、物語はシリアスな展開に突入していく。
舞台は宇宙から地球に移り、連邦議会のあるダカールを占拠したハマーンらと対峙。リィナを救出すべく画策し、ジュドーはハマーンと直接出会うことになる。
優れたニュータイプでありながら、自分のものにならないジュドーをハマーンは危険視。彼を撃ち殺そうとしたところに妹のリィナが割って入り、彼女は負傷してしまう。
妹を抱きかかえたまま、静かな怒りをたたえるジュドー。その鼓動は高鳴り、周囲にいるパイロットたちにも彼の不穏な気配が伝播していく。そしてジュドーの体から巨大なオーラのようなものが立ち上がり、ゆっくりとハマーンに近づいていく。
ただならぬジュドーの気配にハマーンは倒れ込み、怯えた様子で「寄るな、来るな……」と震える。ジュドーのオーラがさらに大きくなり、鬼か悪魔のような不気味な形になると、ハマーンは恐怖のあまり彼の前から逃げ出すのだった。
一目散に自室に逃げ込んだハマーンはベッドに突っ伏し、「この私にこんなにもプレッシャーをかけた……ジュドー・アーシタ、あれは危険すぎる……」と震えたのである。
前作『Zガンダム』時代のハマーンは、カミーユ・ビダン、パプテマス・シロッコ、クワトロ・バジーナといった名だたるニュータイプたちと渡り合った。決して臆した様子を見せず、女傑と呼ばれるほど堂々たる立ち居振る舞いを見せていただけに、ジュドーの前で乙女のように震えるシーンに驚いた視聴者は多いことだろう。
■得体のしれない謎の力が働いた「壮絶な最期」
物語の序盤、ネオ・ジオンのコメディリリーフ的な役割を担ったマシュマー・セロ。だが失敗を重ねて左遷された結果、とうとう強化人間に改造されてしまう。
物語後半に再登場を果たしたマシュマーは、強化手術を受けた影響で人格まで変化し、非情な戦闘マシンとなっていた。
そんなマシュマーの最期は壮絶なものだった。ハマーンに反旗を翻したグレミー・トトを「悪いやつ」と罵り、ザクIII改で出撃。グレミー陣営についたラカン・ダカラン率いるドーベン・ウルフの部隊と激突する。
マシュマーはザクIII改単騎で、複数のドーベン・ウルフを相手に互角以上に渡り合う。だがついにドーベン・ウルフ隊に機体の四肢を捕縛され、追い詰められたかに見えた。その時マシュマーの機体から謎の光が発せられ、複数のドーベン・ウルフが放ったメガ・ランチャーを弾き返す。
さらにドーベン・ウルフの1機を捕らえると頭部をねじ切り、「私はやられんぞ」「このマシュマー・セロ、己の肉が骨から削ぎ取れるまで戦う!」とつぶやくと、マシュマーのザクIII改から異様なオーラが立ち昇った。
そして「ハマーン様、万歳!」の絶叫と同時に、謎の光は拡大。至近のドーベン・ウルフを巻き込んで自爆したのである。このときラカンは「何の光!?」と叫んでいたが、それはまさに視聴者の声でもあった……。
あの光は先述のジュドーの怒りが可視化された現象と同じようなものと考えられるが、詳細は不明。書籍『週刊 ガンダム・モビルスーツ・バイブル 116号』(デアゴスティーニ・ジャパン)によれば、ザクIII改にもZガンダムと同様に、バイオセンサーが搭載されていた結果、超常現象を引き起こしたとされている。
今年で放送開始から40周年を迎えた『機動戦士ガンダムZZ』。宇宙世紀シリーズのテレビアニメ作品でありながら、序盤のコミカルなノリになじめず敬遠している人もいる様子だ。だが途中からの緊迫した展開は見ごたえがあり、未視聴なのはもったいないほどの名シーンが存在する。
物語を最後まで通してみると、今回紹介した「とんでもない描写」の数々も作品の味として受け入れられるはず。そして、この他にも衝撃的な場面や設定が数多く登場する『ガンダムZZ』、皆さんの記憶に強く残っているのはどのようなシーンだろうか。
今こそ『ガンダムZZ』を一気にチェック



