4歳で当主になり、一族の宿命を背負った…『鬼滅の刃』無惨よりも謎深い「産屋敷耀哉」とはどんな人物だったのかの画像
DVD「鬼滅の刃 柱稽古編4(完全生産限定版)」(アニプレックス) (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 吾峠呼世晴氏による『鬼滅の刃』は、人を喰らう鬼と、鬼を狩る「鬼殺隊」の戦いを描いた物語である。

 政府非公認組織でありながら、数百人もの隊士たちで組織された鬼殺隊を率いるのが、当主である産屋敷耀哉だ。“お館様”と呼ばれ、多くの隊士たちから慕われている耀哉。作中では絶対的な指導者として描かれながらも、その人物像には謎も多い。

 今回は、そんな耀哉の人物像や能力について、あらためて振り返ってみよう。

 

※本記事には作品の内容を含みます。

 

■わずか4歳で背負った呪い…無惨を倒すという一族の「血の宿命」

 代々、鬼殺隊の当主を務める産屋敷家。実は彼らは、鬼の始祖・鬼舞辻無惨と同じ血筋であることが作中で明かされている。

 産屋敷家は一族から鬼を出してしまったことで呪いを受け、生まれてくる子どもは皆病弱で次々と死んでしまったという。一族がいよいよ絶えかけた時、神主から同じ血筋に鬼がいることを明かされ、その鬼を倒すことに心血を注ぐよう助言されたことが「鬼殺隊」創設のきっかけとなった。

 耀哉が当主となったのは、わずか4歳の時だ。『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録・弐』によると、先代である耀哉の父親は、隊士たちが傷ついて命を落としていく現実に耐えきれず、19歳という若さで自ら命を絶ったという。耀哉の兄弟も皆亡くなっており、幼くして当主とならざるをえなかった彼の運命はあまりにも過酷だった。

 産屋敷家には、子どもを死ににくくするために神職の一族から妻をもらうしきたりがあった。それゆえ、耀哉は13歳の時、当時17歳のあまね(旧姓・神籬)と結婚している。

 あまねは生まれつき白髪で、断片的な予知夢を見るほど強い神力があった。耀哉は彼女に「貴女が嫌なら私からこの話は断ります」と伝え、相手の立場を思いやる耀哉の人柄に触れたあまねは結婚を決めたとされている。そして2人の間には、男児1人、女児4人のあわせて5人の子どもが誕生した。

 無惨の襲来を予見した耀哉は、自爆の策を講じる。その最期の瞬間に彼の側にいたのが、妻・あまねと、娘のにちか、ひなきだ。アニメでは、雪が舞う中でこの2人の娘が「かぞえうた」を歌いながら紙風船で遊ぶ姿が描かれ、その後の悲劇を際立たせる美しい幻想的な演出となっている。

 耀哉とその家族の壮絶な最期のあと、残されたのは唯一の男児である輝利哉と、彼の妹であるかなたとくいなだ。輝利哉は8歳という幼い身で新たな当主となり、「無限城」での戦いでは妹たちに支えられながら鬼殺隊の指揮を執り、父の遺志を継いで無惨に立ち向かった。

 生まれながら過酷な「血の宿命」を背負っていた産屋敷一族。年齢を超越したただならぬ雰囲気は、約千年にもわたる鬼との戦いの歴史によるものなのかもしれない。

■どこから資金が? 鬼殺隊を私財で支え続けた産屋敷家の「先見の明」

 数百人もの隊士をかかえる鬼殺隊だが、その待遇は手厚い。『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録』によれば、最も下の階級の隊士でさえ、現代の価値で約20万円ほどの給料が支払われていたという。

 では、政府非公認の組織である鬼殺隊の運営資金はどこから捻出されていたのだろうか。作中で直接的には明かされていないものの、産屋敷一族が持つ特別な能力が、その財源に関係していることが示唆されている。

 産屋敷家の人間は「先見の明」と呼ばれる、いわゆる鋭い“勘”を持っていた。これにより未来を見通して財を築いただけでなく、幾度となく一族の危機も回避してきたのである。

 この「先見の明」は、とくに物語終盤の「柱稽古編」で大きな役割を果たす。

 その頃、病に伏していた耀哉は、岩柱・悲鳴嶼行冥に「五日…以内に無惨が…くる…」と告げていた。その予見通り、太陽を克服した鬼・竈門禰󠄀豆子を狙う無惨は、上弦の肆・鳴女の能力で産屋敷邸の場所を特定。だが、襲来を予期していた耀哉は、彼を迎え撃つ策を講じていた。

 それが前述した、自分の命もろとも屋敷全体を爆破する“自爆”と、潜んでいた珠世と行冥による“奇襲”である。これによって柱たちが産屋敷邸に集結する時間が生まれ、最終決戦の舞台となる「無限城」での戦いの火蓋が切られた。

 おそらく耀哉は、自分の死期さえ「先見の明」によって悟っていたのだろう。余命幾許もない己の命を囮に使い、無惨に一矢報いたのである。その壮絶な覚悟と自己犠牲の精神は、彼が隊士たちから深く敬愛される理由を物語っていた。

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