■世代を超えてボスを驚愕させた精神力『ジョジョの奇妙な冒険』ジャン・ピエール・ポルナレフ

 1986年より『週刊少年ジャンプ』にて連載が始まった荒木飛呂彦さんの『ジョジョの奇妙な冒険』は、さまざまな時代や国を舞台に、とある血脈にまつわる因縁の戦いが繰り広げられる大人気シリーズだ。

 それぞれの部ごとに個性豊かな仲間が登場するが、なかでも敵サイドから実力を高く認められたのが、第3部に登場するジャン・ピエール・ポルナレフである。

 当初は肉の芽によって洗脳され、主人公・空条承太郎たちの敵として登場したポルナレフ。敗北後に洗脳が解けてからは、仲間となって一行に同行することとなる。

 ふだんは明るくお調子者な性格だが、スタンド「銀の戦車(シルバーチャリオッツ)」を自在に操り、数々の強敵と渡り合ってきた。宿敵であるDIOも彼が優れたスタンド使いであることを認めており、「殺すのはおしい」と再び配下に入るよう勧誘したほどである。

 もちろんポルナレフはその誘いを跳ねのけたが、DIOにとって最後まで手駒として置いておきたい逸材だったのは間違いない。

 そんなポルナレフは、イタリアを舞台とした第5部で再登場を果たしている。

 ギャング組織・パッショーネのボス、ディアボロとの過去の戦いに敗北し、車椅子生活を余儀なくされるほどの重傷を負いながらも、因縁の相手であるディアボロとの再戦に挑んだ。

 ディアボロのスタンド「キング・クリムゾン」の能力で時を消し飛ばされるも、ポルナレフは発動タイミングを見極める術を会得しており、すんでのところで反撃を繰り出す。その決死の一撃を受けたディアボロは、ポルナレフの精神力と戦闘センスに脱帽し、「タイミングも天才的だ」と称賛したのだった。

 世代を超えて2人のボスから実力を認められたポルナレフは、シリーズ全体を通しても極めて稀有な存在であり、物語に欠かせない印象的な脇役といえるだろう。

 

 さまざまな場面で主人公を支えてきた脇役たち。ここぞという場面で発揮される彼らの意外な実力には、作中の敵キャラクターたちはもちろんのこと、読者も大いに驚かされた。

 ラスボス級の強者すら彼らを称賛する展開は、バトル漫画における大きな醍醐味の一つでもある。絶体絶命の局面でこそ輝く、たしかな実力と折れない心こそが、彼らを名脇役たらしめる理由といえるのではないだろうか。

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