■師の仇を討つために仕掛けた冷徹すぎる「飛段攻略」
シカマルの知略がもっとも冴え渡った戦いといえば、やはり「暁」の飛段・角都戦だろう。
この戦いは、彼の師である猿飛アスマの仇討ちでもあった。しかしシカマルは感情に飲まれることなく、アスマが命がけで残した情報をもとに敵の能力を徹底分析。周到な準備を整えたうえで戦場へと向かった。
相手は“不死身コンビ”飛段と角都。まずシカマルは自ら囮となって飛段を挑発し、あえて自身を追わせることで2人を分断する。
その狙いは飛段の呪術「死司憑血」を逆手に取ることだった。あらかじめ、はたけカカシが採取していた角都の血液をカプセルに仕込み、意図的に飛段に奪わせる。これにより、飛段自身の攻撃によって、角都の心臓をひとつ破壊させることに成功した。
だが、この作戦の真価は、さらにその先にあった。
シカマルが飛段を誘導した森の最深部は、奈良一族のみが立ち入りを許された特別な土地だった。そこには、あらかじめ大量の起爆札と巨大な落とし穴が仕掛けられており、影真似の術で飛段の動きを封じると、起爆札を一斉に起動。大爆発を起こして飛段の体をバラバラに粉砕し、そのまま深い穴の底へ埋め、永遠に地上に戻れない状態へと追い込んだのである。
この一連の作戦により、シカマルは暁の一員である飛段を完全に無力化、角都にも心臓をひとつ失わせる深手を与えることに成功する。たった1つの作戦で、これほどの戦果を挙げた忍が他にいただろうか。
まさに彼が得意とする将棋のように何手も先を読み切り、1つの作戦で2人の強敵を同時に追い詰めたこの戦いこそ、奈良シカマルという軍師の真骨頂であり、最大の知略戦だったのである。
その後、シカマルは第四次忍界大戦において、命を落とした父・奈良シカクから忍連合軍の指揮権を引き継ぐ。そして木ノ葉だけでなく、各国から集結した忍全体を動かす存在へと成長する。
また大戦中、死の淵をさまよった際には、こんな言葉も残していた。
「悪ィーけどオヤジ オレはまだそっちには行けねーよ ナルトの相談役にオレ以上の奴はいねーからよ!」と。
この言葉には、やがて火影となるナルトを自分が誰よりも近くで支えていくという、シカマルの強い決意が込められていたように感じる。そしてその言葉どおり、シカマルはのちに七代目火影となったナルトの“右腕”として、その知略で木ノ葉を支える存在となっていくのである。
『NARUTO』という強者だらけの世界で、“考えることそのもの”を最大の武器に戦い抜いたシカマルこそ、間違いなく木ノ葉隠れの里が誇る最高の軍師なのだ。
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