■「私、返品しろって言いましたよね」フリーレンに対して見せるしっかり者の一面
魔法使いとしては師弟関係にあるフリーレンとフェルンだが、日常生活においては立場が逆転している。いくつになってもズボラな生活態度をあらためないフリーレンに対し、フェルンが甲斐甲斐しくお世話をするのが日常だ。
毎朝寝坊するフリーレンを起こしたり、ご飯や服を用意したりと、その生活は自ら「これ私 完全にお母さんですよね」と口にするほど。そのため、フリーレンのだらしなさが度を超すと、フェルンは実の母親のように怒り始める。
印象的だったのが、フリーレンが「服だけ溶かす薬」を取り出した際のこと。激怒したフェルンは中身をフリーレンに浴びせ、「この下品な薬、買ったときに私、返品しろって言いましたよね」と、氷のような冷ややかな目で言い放つ姿は強烈だった。
時には、本当に敬っているのか分からなくなるほど、フリーレンに厳しく接するフェルン。だが、それは師匠であり、姉のような存在でもあるフリーレンに「ちゃんとしてほしい」と思う願望の表れなのかもしれない。とはいえ、1000年以上もそんな生活をしてきたフリーレンが、今さら生活をあらためるかというと、かなり難しそうではあるが。
フェルンが不機嫌になる数々のシーンを見返してみると、その多くは人との接し方が分からなかったり、愛情の裏返しだったりと、彼女の不器用さが目立つように思える。戦災孤児として育ち、ハイターやフリーレンといった限られた人間関係の中で生きてきたフェルンの情緒は、まだまだ育ちざかりなのだろう。
『葬送のフリーレン』は、主人公・フリーレンが“人間を知る”ための旅を描いた物語だ。その長い旅路の中で、フェルンもさまざまな人と触れ合って成長していけば、いつか“不機嫌モード”から脱却し、より成熟した女性になる未来が訪れるのかもしれない。
■Kindleで『葬送のフリーレン』をチェック



