■派手な見た目に隠された一途さ…松本乱菊の“大人の魅力”
最後に紹介するのは、松本乱菊である。一見すると自由奔放で気まぐれ。しかし乱菊という女性の魅力は、その華やかな色気だけでは到底語り尽くせない。
乱菊といえば、やはり真っ先に目を奪われるのは抜群のプロポーションだろう。作中でも屈指のグラマラスな体型と、大人びた色気を兼ね備えた存在である彼女。
性格も自由奔放そのもので、仕事をさぼって昼寝をしたり、昼間から酒を飲んだりと、気ままでマイペースな姿が印象的だった。さらに現世任務で披露した女子高生姿も圧倒的な破壊力で、ファンを魅了した。
しかし、彼女の魅力は華やかな外見だけではない。乱菊は現十番隊隊長・日番谷冬獅郎より以前、前任隊長であった志波一心の時代から長年にわたって十番隊を支え続けてきたベテラン副隊長であり、戦闘では斬魄刀「灰猫」を駆使し、常に前線で隊長を支える実力者でもあった。
そして、彼女の魅力を語るうえで欠かせないのが、三番隊隊長の市丸ギンという存在だ。
幼いころから特別な絆で結ばれていた2人。しかし、ギンは何も告げぬまま乱菊の前から姿を消し、その後は長いあいだ敵として彼女の前に立ちはだかることになる。それでも乱菊は彼を忘れることなく、その背中を追い続けていたのである。
藍染惣右介への反逆に失敗し、致命傷を負ったギンが倒れたその瞬間、乱菊はようやく彼のもとへ駆けつける。その体を抱きしめながら涙を流す姿はあまりにも切なく、読者の胸を強く打った。そして、その直後に戦場へ駆けつけた一護が藍染との最終決戦へ向かう。この一連の流れは、間違いなく『BLEACH』屈指の名シーンといえるだろう。
派手な見た目と奔放な振る舞いの裏で、誰よりも情が深く、たった1人の男性を想い続けていた松本乱菊。華やかさの奥にある揺るがない一途さこそ、多くの読者が彼女に惹かれた理由なのかもしれない。
圧倒的な実力と妖艶な魅力を併せ持ち、格の違いを見せつけた四楓院夜一。優雅なほほ笑みの裏に戦闘を渇望する本性を秘め、更木と濃密な絆を結んでいた卯ノ花烈。そして奔放に見えながらも、誰より一途な想いを抱き続けていた松本乱菊。
3人が持つ魅力のかたちはそれぞれ異なる。しかし共通していたのは、ただ美しいだけでは決して語れない、“生き様そのもののかっこよさ”である。
『BLEACH』という作品が連載終了から長い年月が経った今もなお、多くのファンを惹きつけ続けている理由。その1つは、思わず誰もが惹かれてしまうキャラクター造形の巧みさにあるのかもしれない。
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