■夢に突き進む少年少女の冒険譚『二十世紀電氣目録-ユーレカ・エヴリカ-』

 『二十世紀電氣目録-ユーレカ・エヴリカ-』は、結城弘氏によるライトノベルを原作としたアニメ作品である。舞台は蒸気機関だけが発達し、現在とは異なる歴史を歩んだ20世紀初頭の京都だ。

 “電氣の時代”が来ると信じる主人公の少年・坂本喜八は、幼い頃に電気の発明を書き込んだ予言書「電氣目録」の秘密を巡って壮大な冒険に踏み出す。失われた夢や過去の後悔と向き合いながら成長していく姿を描いた青春冒険譚だ。

 原作は独創的な世界観や丁寧な人物描写によって高い評価を得ており、第8回京都アニメーション大賞長編小説部門で「奨励賞」を受賞するなど、夢を追う若者の姿を描く温かなストーリーが多くの読者から支持されている。

 アニメ制作は、『涼宮ハルヒの憂鬱』『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』など、きめ細やかな心理描写や圧倒的な映像美で定評のある京都アニメーションが手掛ける。喜八が過去の喪失を乗り越えながら未来へ進む過程が、京アニの手腕によってどのように描かれるのかも見どころである。

 2018年のアニメ化発表から約8年、YouTubeに公開された予告動画には「待ち続けた甲斐がありました!」「PVが美しすぎる……」など多くのファンからのコメントが寄せられ、Netflixでの世界独占配信も決まったことで、今後は国内のみならず海外のアニメファンからも注目を集めるだろう。

 壮大な世界観と青春ドラマが融合した『二十世紀電氣目録-ユーレカ・エヴリカ-』が、新たな京都アニメーションの代表作となることを期待したい。

■令和のコンプラに挑むブラックユーモアコメディ『ヤニねこ』

 『ヤニねこ』は、にゃんにゃんファクトリーによる同名漫画を原作としたアニメ作品。人間と獣人が共存する「にゃがみ原市」を舞台に、タバコをこよなく愛する主人公の自堕落な獣人「ヤニねこ」こと、佐藤ヤニ子の気ままな日々が描かれる。

 本作の魅力は、一般的なケモ耳獣人のイメージを覆すブラックユーモアと独特な世界観にある。SNSではその強いキャラクター性とユーモアから人気が沸騰し『週刊ヤングマガジン』(講談社)での連載も大きな後押しとなり、ついにテレビアニメ化が実現した。

 目先の快楽に流されて生きるヤニ子は、タバコを吸うためならマナーはガン無視。屋外で半裸のまま過ごし、男子小学生に見られることも厭わないほど倫理観が崩壊している。その作風から、アニメ化発表にはファンからも心配の声があがり、公式サイトでも「放送できなかったらごめんにゃさい!」という自虐的なコピーが使われているほどだ。

 なお、YouTubeで公開された最新PVでは、喫煙シーン、一糸まとわぬヤニ子の姿、嘔吐シーンや何かを腕に注射する描写など、まさにセンシティブな演出のオンパレード。その映像にコメント欄では「放送中止になっても1mmも驚かない」「煩悩まみれで草」「最高に終わってて好き」と、原作ファンならではの称賛(?)の声が相次いでいた。

 テンポのよいギャグ演出やキャラクターたちの掛け合い、ユルイ雰囲気とは裏腹に、令和のコンプラに真っ向から挑戦するような過激さは、果たしてどのように映像化されるのか。原作ファンはもちろん、初めて作品に触れる視聴者にも強い印象を残す作品になるはずだ。

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