■結ばれなかった恋も……公式が残した恋愛フラグたち

 もちろん、作中で描かれた恋愛模様は、結婚という形で成就した2組だけではない。

 まずは、吉良イヅルと雛森桃だ。2人は真央霊術院時代からの同期であり、コミックス第15巻収録の番外編「逸れゆく星々の為の前奏曲」(アニメ第46話「実録!死神の学校」)では、その交流が描かれた。

 作中、吉良は雛森に対して好意を抱いていることをうかがわせていたが、2人の関係が恋人へと発展することはなかった。吉良の恋心が実ったのか、それとも胸の内に秘めたままだったのか。その答えは最後まで描かれず、読者の想像に委ねられている。

 一方で、雛森との関係を語るうえで欠かせないのが、日番谷冬獅郎の存在だろう。

 作中、藍染惣右介に利用されて傷ついた雛森を守るため、冬獅郎は何度も奔走し、ときには隊長としての冷静さを失うほど感情をあらわにしていた。しかし、その感情は恋愛というよりも、流魂街時代からともに育った家族を想う気持ちに近いものとして描かれている印象が強い。

 そして最後に紹介したいのが、檜佐木修兵と松本乱菊の関係である。修兵が乱菊に片想いをしていることは、『カラブリ+』や公式ファンブックなどでもたびたび取り上げられており、公式でもなかばネタのように扱われている節がある。

 しかし、残念ながらその後2人の関係に進展は見られなかった。飄々と修兵をあしらう乱菊だが、彼女の心には自らのために命をかけて散っていった市丸ギンの存在が今なお大きく残っているのかもしれない。果たして修兵の恋心が報われる日は来るのだろうか。

 

 恋次とルキア、一護と織姫が結婚という幸せな結末を迎えた一方で、吉良と雛森、修兵と乱菊のように、その後の進展が明確に描かれなかった関係もあった。また、冬獅郎と雛森のように、恋愛だけでは語れない特別な絆も描かれている。

 本作では、恋愛、友情、家族愛といった感情が単純に線引きされることなく、キャラクターごとに異なる関係性の形や距離感が丁寧に描かれていた。それぞれの想いに異なる結末が用意されていたことも、『BLEACH』ならではの魅力といえるだろう。

 アニメ『千年血戦篇』の完結が近づく今だからこそ、壮絶な戦いの裏で紡がれてきた彼らの恋模様にも、あらためて注目してみてはいかがだろうか。

 

■読んでおきたい…最終回に至る物語『BLEACH』小説版

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