現在、フジテレビ系にて毎週日曜日朝9時半より、アニメ『鬼滅の刃』が全話再放送中だ。『竈門炭治郎 立志編』を懐かしみながらリアルタイムで楽しんでいる人も多いだろう。
本作における“敵”は鬼だが、一口に鬼といっても、同情してしまう境遇の持ち主から人間の頃から下劣だった者までさまざまだ。その中でも、第六話「鬼を連れた剣士」に登場する沼鬼は、主人公・竈門炭治郎が初任務で戦った相手にもかかわらず、かなり“ヤバい存在”だった。あらためて再放送を見て、その異常性に戦慄した視聴者も多いはずだ。
今回は、そんな沼鬼をはじめとした“激ヤバ鬼”について、その特殊すぎる趣味嗜好とともに紹介していきたい。
※本記事には作品の内容を含みます。
■「16歳の少女」に執着する沼鬼
沼鬼は、若い少女だけを狙って夜な夜な人さらいをする鬼だ。ターゲットの女性をシミのような姿になって追いかける姿や、女性が寝支度を整えている時も虎視眈々とタイミングをうかがう様子は、まるでストーカーのようだった。しかも16歳の少女にしか興味がないという異様なこだわりを持ち、食べた女性の装飾品を服の裏にコレクションするなど、その趣味の悪さは『鬼滅の刃』に登場する鬼の中でも5本の指に入るだろう。
女性ばかり食べる童磨、逆に女性は殺さない猗窩座など、鬼それぞれにこだわりはあるものの、ここまで異様な執着を見せるのは後にも先にも沼鬼だけである。
沼鬼はファンブックや派生作品などでも変態扱いをされており、漫画第4巻のおまけ「中高一貫!!キメツ学園物語」では、「キメツ町に出没する変質者」として描かれていた。その存在は都市伝説になりかけているとのことで、シンプルに危なすぎる存在である。
■人間時代から底意地が悪かった魘夢
行動のヤバさでいえば、下弦の壱の魘夢も人間の頃から相当な癖の強さだった。
『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の特典『煉獄零巻』によると、人間時代の魘夢は子どもの頃から夢と現実の区別がつかず周囲を戸惑わせていたらしい。成人後は余命わずかな人間を催眠療法でだまし、健康になったと信じ込ませてから実は全部ウソだったとバラす悪質な行為を繰り返していたようだ。
その性質は鬼になってからも変わらず、夢と現実を行き来しているような語り口はどこか浮世離れしている。
魘夢は血鬼術を使って相手を眠らせ、意のままの夢を見せるという心理攻撃を行う。作中では炭治郎に家族の夢を見せたり、望みの夢を見せるという条件で一般人に炭治郎らの精神の核を破壊するよう持ち掛けたりもしていた。作中で彼は「幸せな夢を見せた後、悪夢を見せてやるのが好きなんだ」と語っていたが、そういった底意地の悪さは人間時代から変わっていないことがわかる。
もう1つ彼の異常性が垣間見えたのが、下弦の伍である累が倒された後に行なわれた、いわゆる鬼舞辻無惨による「パワハラ会議」でのことだ。他の鬼たちが難癖をつけられて殺されていく中、彼だけはその行為に恐れを抱くでもなく、ただうっとりしていた。
「中高一貫!!キメツ学園物語」での魘夢は、「変態鉄道オタク」の「魘夢民尾(えんむ・たみお)」と設定され、「鉄道に対して変態行為を繰り返す。前科6犯。嫌われ者で彼女なし。」と、散々なかたちで紹介されていた。
■歪んだ芸術観を持つ玉壺
「何か」に対し、異常なまでのこだわりを持つ鬼は不気味に見えるが、上弦の伍・玉壺もまさにそのタイプ。
『鬼滅の刃公式ファンブック 鬼殺隊見聞録・弐』によると、玉壺の人間時代の名前は益魚儀(まなぎ)といい、漁村生まれだったようだ。鬼となった後の人型ではない姿や、水や魚に関連する血鬼術からも納得である。
人間の頃から魚の死骸を集めるなど変わった感性を持ち、周りから気味悪がられていた益魚儀。しかし、幼い頃に両親を水難事故で亡くした彼の境遇から、ショックでおかしくなったのだと村人たちは考え、静かに見守っていた。
しかしある日、ついに益魚儀は自分のことをからかった子どもを殺して壺に詰めるという事件を起こしてしまう。そして、その両親に報復され死にかけていたところを、偶然通りがかった無惨によって鬼にされたという経緯があるようだ。
ちなみに彼は、両親の水死体を見たときに美しいと感動したらしい。そうして常軌を逸した“芸術”に魅せられてしまった彼は、鬼となってからも自分の作品作りに執着し続けたのである。
多くの鬼は人間時代の記憶はないはずだが、生前見せた危険な部分を引き継いでいる鬼は多い。人間であることを辞めても忘れられない、強いこだわりがあるということなのだろうか。たとえばそれが、猗窩座が見せるような「強さへの執着」であるなら、まだカッコよかったのだが……とどうしても思ってしまう。



