『ドラえもん』大人も震える「実はホラーなひみつ道具」「怪談ランプ」に「パンドラボックス」、「地平線テープ」もの画像
てんとう虫コミックス『とっておきドラえもん ぞくぞくぶるるホラー編』(小学館)

 藤子・F・不二雄さんの代表作『ドラえもん』には、幽霊や妖怪が登場する「ひみつ道具」が数多く登場する。よくあるパターンとしては、のび太が怪談話に震え上がり、それをジャイアンたちに笑われた悔しさからドラえもんに泣きつき、そしてお化けを登場させる道具を借りる……といったケースだ。

 こうした話では大抵の場合、道具を使ったのび太自身がお化けに驚かされるなど、うまくいかないのがお約束である。

 しかし、もしそのような道具が現実世界に存在すれば、人々はパニックになってしまうのではないだろうか。今回は、子どもの頃には気づかなかったが、よくよく考えたらかなり恐ろしい『ドラえもん』に登場する「実はホラーなひみつ道具」を紹介しよう。

 

※本記事には作品の内容を含みます。

 

■話した怪談はすべて現実に起こってしまう「怪談ランプ」

 てんとう虫コミックス第2巻に収録されたエピソードに登場する「怪談ランプ」は、文字通り、話した怪談がすべて現実に起こってしまうという恐怖のアイテムだ。

 物語は、「いちばん怖い話をした者が優勝」というルールの怪談大会がジャイアンの家で開かれるところから始まる。しかし、怖い話を知らないのび太はドラえもんに相談し、取り出されたひみつ道具が、この「怪談ランプ」だった。

 ランプの前で怪談話をすると、それがでたらめな内容であっても話した通りのできごとが現実世界で起きてしまう。

 たとえば、のび太が「おさらを割って殺され、井戸へ投げ込まれ、忍び寄る足音が…」という、ありきたりな怪談を披露すると、その話の通りに皿が割れる音や足音が響き渡り、その場にいたジャイアンたちをパニックに陥れるのである。

 作中では、その怪奇音の正体はこっそり侵入していた泥棒だったというオチがつくものの、このランプを使うことで自作した怪談のシチュエーションが現実のものになるのは非常に恐ろしい。単なるいたずらでは済まされない事態を招きかねない、極めて危険な道具といえるだろう。

■人の弱い心を突く、恐怖の箱「パンドラボックス」

 コミックス第19巻に収録されている「パンドラのお化け」のエピソードには、人の意志の弱さを突く道具「パンドラボックス」が登場する。

 自分の意志の弱さを嘆くのび太のため、ドラえもんが「強い意志の力を育てる道具」として取り出したのがこの箱だ。横のボタンを押すと、24時間絶対に箱を開けてはいけないというルールが発動し、もし誘惑に負けて開けてしまうと、中から恐ろしいお化けが出てきて持ち主に取り憑いてしまうという。

 この「パンドラボックス」の恐ろしさは、箱自身があの手この手で持ち主を誘惑し、開けさせようとあらゆる手段を仕掛けてくる点にある。のび太は誘惑に負けまいと、箱を何重にも紐で縛り上げて物置の奥に隠すのだが、その様子を見ていたママに「テストの答案を隠したんでしょう」と責められ、結局開けるハメに。最後は、お化けに取り憑かれたのび太が、「(お化けのほうが)ママよりましだ」とつぶやく皮肉な結末を迎える。

 出現するドロドロとしたお化けもたしかに怖いが、それより恐ろしいのは、人間の心の隙や弱点を的確に突いてくる箱の仕掛けそのものだろう。昼寝の最中でさえ無意識に開けさせようとしてくるこの箱の誘惑に、引っかからない人はどのくらいいるだろうか。のび太でなくとも、多くの人が結局は箱を開けてしまい、お化けに取り憑かれるはずだ。

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