■鬼たちの運命を分けたもの

 このように、禰󠄀豆子、珠世、朱紗丸と、それぞれ鬼でありながら、まったく異なる運命を歩む対比がうまく描かれた回だった。禰󠄀豆子は、どれほど困難な道であろうと兄と離れず、自分の意思で共に戦う決意を固める。珠世は自身が鬼であることを自覚し、長い間後悔に苦しみながら生きていたところを、禰󠄀豆子に「人間」扱いされて涙した。

 一方の朱紗丸は、鬼舞辻無惨の呪いによって、あまりにも悲惨な最期を遂げた。最後の言葉から、彼女が元は幼子だったことが示唆されており、十二鬼月だとおだてられ、だまされ、戦わされ、挙げ句の果てには切り捨てられた様子に、炭治郎も「救いがない」とこぼしていた。

 この放送を見た人からは「鬼になった後悔と罪悪感をずっと抱えたまま生きてきた珠世さまを、“この人は人間!”って判断する禰󠄀豆子も、判断される珠世さまも心が綺麗」「過去イチでうるうるしてしまった」「珠世様も禰󠄀豆子を自分の子供に重ね合わせたのかも」「炭治郎と禰󠄀豆子、ここで離れたら互いの成長はなかったかも」「リアルタイムで観てる時と無限城観たあとでは全然違う気持ちで観れる」といった感想が寄せられている。

 今回は、全編にわたって家族を思いやる気持ちがフィーチャーされ、「ずっと一緒にいる」というサブタイトル通り、ことさら兄妹の絆を印象づける回でもあった。厳しい戦いであっても共に行くという2人の覚悟が、言葉は少なくとも手をつなぎ、それを強く握り返すという仕草に込められている。CM後のアイキャッチのイラストからも、その粋な演出は見て取れた。

 ここまでの物語では、炭治郎が一人で努力し修行を重ね、禰󠄀豆子を一方的に守ろうとする表現が多かった。それは鬼になった禰󠄀豆子が長い眠りにつき、単に戦闘シーンが少なかったこともあるが、炭治郎が禰󠄀豆子を大切に思うように、これまであまり心情が語られなかった禰󠄀豆子もまた同じくらい兄を大切に思っていることが明確になったエピソードだった。これまで守られるのみだった禰󠄀豆子の意思が、初めて強く現れた回でもある。

 2人の前途が明るいものになることを、あらためて新鮮な気持ちで願ってしまう。

 

 さて、浅草編が終わり、ここでまた一つの戦いに区切りがついた。終盤では、道ゆく女性に結婚を迫る「ヘタレ」でおなじみのあの人気キャラが初登場。次回以降の『鬼滅の刃』は、にぎやかな展開になりそうだ。

 

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鬼滅の刃 1
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