■ファンにはたまらない恋愛エンド『のだめカンタービレ』二ノ宮知子

 類まれな音楽の才能を持つ主人公・野田恵(のだめ)と、指揮者を目指すエリート学生・千秋真一の破天荒な恋と青春を描いた『のだめカンタービレ』。

 二ノ宮知子さんによる本作は、主演に上野樹里さんと玉木宏さんを迎え、2006年に実写ドラマ化されている。その後も、スペシャルドラマを経て、2009年と2010年に2部構成の完結編となる映画『のだめカンタービレ 最終楽章』が公開された人気シリーズだ。

 原作のクライマックスでは、天才的なピアニストとして世界に羽ばたいたのだめと、世界的な指揮者を目指す千秋の苦悩や葛藤が描かれ、互いにかけがえのない大切な存在であるということを再認識する感動的な大団円となっている。

 実写版でも千秋とともにパリへ渡ったのだめ。しかし、原作同様に音楽家としての苦悩から少しずつ心が壊れていったのだめは、世界的な指揮者・シュトレーゼマンとのコンチェルトで鮮烈なデビューを果たした後に失踪してしまう。

 のだめの失踪によって彼女への想いを再認識した千秋は、のだめを強引に連れ出し、2人の思い出の曲でもあるモーツァルトの「2台のピアノのためのソナタ」を演奏する。こうして、2人はようやく想いを通わせるのだった。

 そしてクライマックスでは、音楽家としても成長した2人がコンチェルトで共演する姿が描かれる。原作では、完結後の番外編「アンコール オペラ編」で、指揮者とチェレスタ奏者としての共演はあったが、のだめの目標だった千秋とのコンチェルトはおあずけ状態だった。つまり実写版では、多くのファンが見たかったであろう夢の共演が実現したのである。

 何度も回り道やすれ違いを経たことで、より強い絆で結ばれたのだめと千秋。2人がパリの街中で抱き合い口づけを交わすシーンで締めくくられる実写版は、壮大なラブストーリーとしても楽しめる作品に仕上がっている。

 漫画実写化作品の中では、原作に忠実と評価されている『のだめカンタービレ』。だが、実写版では、より一層のだめと千秋の絆が深く描かれていた印象だ。幻のコンチェルトシーンも堪能できる実写版は、原作ファンにとっても見ごたえのある内容なので、ぜひ見てみてほしい。

 

 実写作品の場合、原作漫画とは異なる結末に戸惑うこともあるかもしれない。しかし、実写版だからこそ描けた未来や、映像作品だからこそ味わえる感動があるのもまた事実だろう。

 漫画ファンはもちろん、実写版から作品を知った人も、あらためて原作と見比べてみると新たな発見があるかもしれない。ぜひこの機会に原作との違いに注目しながら、実写化作品を振り返ってみてはいかがだろうか。

 

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Paradise Kiss (1) (FEEL COMICS)
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