『Paradise Kiss』に『ちはやふる』、『のだめカンタービレ』も…少女漫画実写化作品で描かれた「原作とは違う驚きの結末」の画像
Feelコミックス『Paradise Kiss』第1巻(祥伝社)

 話題の漫画が実写化されると聞くと、原作にどれほど忠実に再現されるかがファンの気になるところだろう。しかし、中にはあえて原作とは違う結末を描き、実写版でしか味わえない感動や余韻を生み出した作品もある。

 そこで今回は、原作とは違う結末が描かれた少女漫画の実写化作品に注目して、原作との違いを振り返りながら実写版ならではの魅力に迫っていこう。

 

※本記事には各作品の内容を含みます。

 

■衝撃のアナザーエンド!『Paradise Kiss』矢沢あい

 まず紹介するのは、矢沢あいさんの『Paradise Kiss』だ。勉強に勤しむ青春を送る主人公・早坂紫が、デザイナーを夢見る小泉譲二(ジョージ)と出会い、非日常的な世界に足を踏み入れていく物語で多くの読者を魅了した人気作である。

 本作は、2011年に実写映画化されている。常人離れしたスタイルと強気で整った顔立ちの紫役は北川景子さん、ミステリアスな長身イケメンのジョージ役には向井理さんが抜擢された。

 原作では黒髪が映えるロングヘアの紫だが、実写版では茶色のロングヘアに。また、ジョージの奇抜な青い髪も、実写版では黒髪に黒色のハットになり紳士的な装いに変更された。原作の幻想的な雰囲気とはひと味違い、より現実的な恋愛物語として描かれたのが実写版の特色といえるだろう。

 原作のクライマックスで、それぞれの夢のために別々の道を歩むことに決めた紫とジョージ。モデルや女優としても大活躍の紫は、月日が流れてかつての同級生で想い人でもあった徳森浩行と婚約していた。

 実写版でもジョージは夢を実現するためにパリへ渡り、紫がモデルとして活躍する未来は同じだった。しかし、紫が仕事でニューヨークを訪れた時、偶然ジョージの相棒であるイザベラ(山本大助)と再会。その後、ジョージのアトリエで2人は感動的な再会を果たしている。

 原作では結ばれなかった2人が、実写版では運命的な再会を経て再び愛を確かめ合う結末となっていた。

 切なさの残る原作の結末を好むファンからは、戸惑いの声も少なくなかったというこの実写版。しかし、紫とジョージの壮大な恋の物語として捉えると、夢をかなえた2人が大人になって再会する展開に嬉しさを感じてしまったのは筆者だけではないだろう。

■三角関係の結末は? 『ちはやふる』末次由紀

 競技かるたをテーマにした末次由紀さんの『ちはやふる』もまた、実写映画で原作とは異なる結末が描かれた作品だ。

 競技かるたの頂点である「クイーン」を目指す主人公・綾瀬千早の、かるたにかける青春と、綿谷新と真島太一との恋の三角関係を描いたストーリーが人気を博した。

 2016年には、千早役に広瀬すずさん、新役に新田真剣佑さん、太一役に野村周平さんという豪華キャストをそろえ、2部作で実写映画化。2018年に完結編となる『ちはやふる-結び-』が公開されている。

 物語の主軸となるのが、千早が夢をかなえて「クイーン」となるのか、そして千早と新、太一の恋の行方がどうなるのか、という点である。

 原作では、千早と新がそれぞれクイーンと名人になる夢をかなえ、恋愛面では千早が太一と結ばれる結末だった。しかし、原作の完結を待たずして公開された実写版では、原作とは違ったラストが待ち受けていた。

 実写版では、千早が所属する瑞沢高校の競技かるた部が全国大会に挑む姿が描かれる。決勝戦では、新が率いる藤岡東高校と対戦。競技中にケガをしてしまった大江奏の代わりに、退部したはずの太一が現れて、新と対戦するという展開となった。

 ギリギリの攻防を繰り広げる両者の戦いは、残り2枚を残す運命戦にもつれこむ。緊張感が漂う中、最後の1句が詠まれ、瑞沢高校が勝利をおさめる感動的なフィナーレとなった。

 一方、3人の恋の行方については、実写版では決着は描かれていない。夢をかなえるため、3人が同じ方向を向くという“青春エンド”となっている。

 エンドロールでは、千早が顧問として瑞沢高校のかるた部を率いている様子が映し出された。その際、アナウンサーが千早のことを「第66期かるたクイーン……」と紹介する一幕も。たった一瞬のシーンではあるが、千早の未来が垣間見える粋な演出であり、原作未完の実写化としては非常に良くまとまっていた結末といえるだろう。

  1. 1
  2. 2
  3. 3