■ついに急接近、と思いきや

 その後、名家である子の一族によって内乱が起こり、猫猫の誘拐やその救出などを経て、2人の関係はまた新たな局面を迎える。ついに猫猫が、壬氏が皇帝の弟であることを知ったのだ。とはいえ状況が状況だったので、その件について2人でゆっくり話すわけにはいかなかった。

 そして第2期の最終話である第48話。平穏な日々が戻ってくると、壬氏は内乱の後処理をはじめとした仕事に追われ、猫猫は花街に戻って忙しい生活を送る。そんなある日、壬氏が猫猫のもとを訪れ、あらためて打ち明け話をしようとする。

 しかし、すでに正体についてはバレているため、これといって話すべきことはない。そう思い至った彼がとった行動は、予想外のものだった。猫猫に抱きつくと、彼女の首筋に唇を当て「これで意味がわかるか?」と言い出したのである。

 奥手な壬氏からすればかなり大胆な行動だが、猫猫は「人の唾液には毒がある場合がありますよ」とつれない反応を返す。それを受け、猫猫に思いきり噛みついた後、「お前も……毒を溜めているのか…?」とキスを迫る壬氏。しかしここでも邪魔が入り、またもやロマンティックな展開とはいかなかった。

 邪魔者が去った後、すっかりふてくされた壬氏は、猫猫の腰に抱きついて彼女の膝枕で眠ると宣言。その後、猫猫は「脚がしびれるなあ」と思いながらも好きにさせ、壬氏は安らかな表情で寝息を立てる。ゆっくりではあるが、確実に2人の関係は進んでいると感じさせる、“らしさ全開”の結末を迎えた。

 

 薬や毒にばかり気をとられて恋愛には疎い猫猫と、不器用すぎる態度でしか好意を表せない壬氏。そんな2人らしい速度で進んでいく恋の物語も、『薬屋のひとりごと』の魅力の1つだ。謎解きと同じくらい難解で、予想を裏切ってくる彼らの関係性から今後も目が離せそうにない。

 

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