35周年&新作アニメ公開『サイバーフォーミュラ』シリーズで一時代を築いた「世代最強のスーパーマシンたち」“スーパーアスラーダ01”に“シュティール”、“凰呀”も…の画像
吉松孝博氏の描き下ろし『サイバーフォーミュラ』35周年アニバーサリービジュアル (C)サンライズ ※新世紀GPXサイバーフォーミュラ公式X(@Cyberformula_GP)のポストより

 1991年にテレビシリーズの放送が開始され、今年35周年を迎えた『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』シリーズ。

 2026年4月には、OVA最終章『SIN』(1998年~)の正統続編となる約6分の新作ショートアニメ制作や、完全新作ゲーム『新世紀GPXサイバーフォーミュラSpiral』が発表されるなど、アニバーサリー企画が本格始動。往年のファンを中心に大きな話題を呼んでいる。

 テレビシリーズから始まり、数々のOVAへと展開した本作には、未来のモータースポーツを象徴する最高峰のサイバーマシンが数多く登場した。今回は、その中でも特に「一時代を築いた」と評される世代最強のスーパーマシン3台を厳選し、その特徴や作中での活躍を振り返りたい。

 

※本記事には各作品の内容を含みます。

 

■人とAIの理想形! 最年少王者の相棒「スーパーアスラーダ01」

 まず外せないのが、テレビシリーズの中盤から登場し、主人公・風見ハヤトを初代王者へと導いた「スーパーアスラーダ01」である。

 それまでハヤトが駆っていた「アスラーダG.S.X」は、第4戦カナダGP予選での大クラッシュにより大破。そのためハヤトは、亡き父・風見広之が遺したニューマシン「スーパーアスラーダ01」へと乗り換えることになった。

 このマシンの最大の特徴は、独自AI「アスラーダシステム」の性能を最大限に引き出すため実装された、サイバーフォーミュラ史上初となる「3段階変形(モードチェンジ)」である。

 オンロード用の「サーキットモード」、最高速を重視した「エアロモード」、悪路に対応する「ラリーモード」を状況に応じて切り替え、さらに驚異的な2段加速を生み出す「ブーストポッド」も搭載。助手席付きスポーツカーだった「G.S.X」から一転、空力性能を徹底追求した純然たるフォーミュラマシンへと進化を遂げる。

 AI技術がまだ一般化していなかった放送当時(1991年)、人工知能が走行ラインやセッティングを導き出し、変形機構まで使いこなすという発想は、視聴者に強烈な未来感を与えた。

 ブルー&ホワイトの“スゴウアスラーダ”カラーをまとった「スーパーアスラーダ01」は、第5戦イギリスGP決勝でデビュー。可変機構の初期トラブルに苦しみながらも劇的な逆転優勝を果たす。ハヤトはこのマシンとともに残るシーズンを戦い抜き、14歳にして史上最年少の第10回ワールドチャンピオンへと上り詰めたのだ。

 以後も「スーパーアスラーダAKF-11」「νアスラーダ AKF-0」といった後継機が登場し、アスラーダシリーズはテレビシリーズから『SIN』まで9シーズンにわたって活躍。ハヤトとともに5度の王座を獲得した。

 単純な性能面では後発のマシンに譲る部分はあるが、人とAIが学習と成長を重ね、対等なパートナーとして初タイトルをつかんだという実績において、「スーパーアスラーダ01」はやはり忘れられないマシンといえるだろう。

■異端のローリングコックピットで世界を制覇! 孤高の傑作機「シュティール」

 主人公機「アスラーダ」のライバルとして、OVA『新世紀GPXサイバーフォーミュラ11』で一時代を築いた傑作機が「シュティール」である。ドイツ語で“様式”や“スタイル”を意味する名の通り、ドライバー兼デザイナーのフランツ・ハイネルの設計思想が色濃く反映され、他のマシンとは一線を画していた。

 最大の特徴は、コーナリング時にコックピットが左右に大きく傾く「ローリングコックピット」だ。これは2輪車のハングオンに近い発想を4輪マシンへ持ち込んだもので、車体を傾けることで高い旋回性能を実現した。

 主人公・ハヤトは元々バイクレーサー志望であり、ライバルの1人であるカール・リヒター・フォン・ランドルもまた、バイク競技を含む数々のスポーツを制した天才である。彼らのようなドライバーが、ハングオンの発想を取り入れた「シュティール」をどう乗りこなしたのか。そんなファンの妄想をかき立てる点も本機の魅力の1つだ。

 しかし、その複雑な挙動変化の代償として、ドライバーには凄まじい負荷がかかる。そこでハイネルが抜擢したのが、犬猿の仲でありながら高い身体能力を持つジャッキー・グーデリアンだった。

 後継機「シュティールHG-165」では、前2輪・後3輪という特異な5輪車へと進化。第14回大会において、ジャッキー・グーデリアンはこのマシンを武器にシーズンを通じて圧倒的な強さを発揮し、ハヤトや新条直輝ら強豪を抑えて、自身初となるドライバーズ王座を獲得したのである。

 もっとも、このシュティールの記憶は栄光だけではない。グーデリアンが駆ったマシンだけに、数々のクラッシュシーンも印象的だ。むしろ、それすらもこのマシンの個性であり、まさに『サイバーフォーミュラ』の世界における「異端の王者」と呼ぶにふさわしい存在だった。

  1. 1
  2. 2
  3. 3