「合体」……それは子どもたちだけでなく、少年の心を持ちつづける大人たちにとっても魅力あふれるパワーワードだ。
アニメでは1974年放送の『ゲッターロボ』をはじめ、数多くの合体ロボットが登場。子どもの頃、その合体シーンに胸をときめかせた人も多いのではないだろうか。
昭和の『ウルトラマン』シリーズも負けてはいない。『ウルトラセブン』では「ウルトラ警備隊」の搭乗するウルトラホーク1号が分離・合体。敵ながら宇宙ロボット「キングジョー」は4機の宇宙船から合体するシーンを披露している。
そして、複数の異なる怪獣が合体して誕生した強力な敵も登場。今回はそんな合体怪獣にスポットをあてて、その魅力を紐解いてみたい。
※本記事には各作品の内容を含みます。
■ヤプールが超獣を合体させて生み出した超獣の王「ジャンボキング」
最初に紹介するのは1973年放送の『ウルトラマンA』第52話に登場した最強超獣「ジャンボキング」だ。
あるとき、異次元人「ヤプール」の残党が突如として出現。空をさまよう超獣の分子を結集して創り出したのがジャンボキングである。
2体の怪獣が連結したような独特のビジュアルが特徴的なジャンボキング。前半身は「カウラ」、後半身と腕は「ユニタング」、胴体は「マザリュース」、尻尾のつけ根は「マザロン人」と、各超獣と異次元人のもっとも強いパーツを集めて構成。さらに、この他の超獣も加わっている可能性がある。
遊牧星人「サイモン星人」に化けていたヤプールに操られたジャンボキングは、口から火炎を吐いて都市の破壊を開始。超獣攻撃隊「TAC」が戦闘機で応戦するが、ジャンボキングの暴走を止めることはできなかった。
そこでTACは「投げ網作戦」によってジャンボキングを捕らえて郊外へ運ぼうとするが、この作戦も失敗。結局、ジャンボキングは都市部の半分を破壊したのちに姿を消す。
続いてTACは試作段階の「細胞分解ミサイル」で対抗するが、この新兵器でも傷ひとつつけられなかった。
その後、ウルトラマンAが出現すると、ジャンボキングは口から吐くミサイルや目から放つ破壊光線で攻撃。ウルトラマンAが馬乗りになっても、後半身が払いのける。再度馬乗りになった時は、尻尾から破壊光線を放ち、ウルトラマンAにつけ入る隙を与えなかった。
しかし「メタリウム光線」を頭部に食らって動きを止められると、続けざまに「ギロチンショット」によって首を落とされて万事休す。一瞬の逆転技で最後は敗北した。
ジャンボキングは合体した超獣の個性を生かしていると言いがたい部分はあったものの、その強さは本物。異質な容姿とあいまって強烈な印象を残した。
■レッドキングやベムスター、バラバなどが合体した「タイラント」
続いてピックアップするのは1974年放送の『ウルトラマンタロウ』第40話「ウルトラ兄弟を超えてゆけ!」に登場した暴君怪獣「タイラント」だ。
過去にウルトラ兄弟によって倒された怪獣たちの怨念と能力が合体し、海王星にてタイラントは誕生。頭部は「シーゴラス」、耳は「イカルス星人」、胴体は「ベムスター」、両腕は「バラバ」、背中は「ハンザギラン」、脚部は「レッドキング」、尻尾は「キングクラブ」という、合体怪獣らしい構成になっている。
そのタイラントは、ゾフィーをはじめとするウルトラ兄弟たちを次々と撃破。中でもウルトラマンジャックとの戦いでは左手に備わったムチで相手を圧倒しており、バラバの特徴が存分に生かされていた。
ちなみに、ウルトラ兄弟との戦いの中で何度か光線技を喰らったが、ベムスターのように腹部でエネルギーを吸収する場面はなかった。さまざまな怪獣が合体したおかげで防御力が高まり、わざわざエネルギーを吸収する必要がなかったのかもしれない。
逆にウルトラセブンとの戦いでは腹部からガスを噴射するという、ベムスターにはない攻撃を見せていた。
ウルトラ兄弟を相手に5連勝という破竹の勢いを見せたタイラントだったが、到着した地球でウルトラマンタロウと戦った際には押され気味の展開に。最後は「ウルトラランス」を受けて敗北した。
タイラントはウルトラマンと戦う前に天王星で休憩を取っていたが、やはり海王星からの長旅と連戦による消耗が響いたのかもしれない。
とはいえ、タイラントの存在感が際立っていたのは事実であり、筆者も子どもの頃にタイラントに魅せられ、ソフビが発売されたときは真っ先に購入した記憶が今も残っている。


