バトルものの漫画やアニメにおいて、非常にやっかいな能力とされているのが「自己修復能力」ではないだろうか。たとえば鳥山明さんによるバトル漫画の金字塔『ドラゴンボール』(集英社)においても、物語後半に登場した「セル」や「魔人ブウ」といった強敵が驚異の自己修復能力を有していた。
そして実は『ガンダム』シリーズの中にも、驚異の自己修復能力を持つ機体が存在することをご存知だろうか。歴代ガンダム作品に登場した自己修復機能を備えた機体を紹介しつつ、その恐るべき性能を振り返ってみたい。
※本記事には各作品の内容を含みます。
■恐ろしいほどの修復機能を備えた「悪魔のガンダム」
アニメ『機動武闘伝Gガンダム』におけるラスボス的な立ち位置だったデビルガンダムは、圧倒的な自己修復能力を持っていた。
デビルガンダムは、もともと「自己増殖」「自己再生」「自己進化」の能力を有するマシン「アルティメットガンダム」として、ライゾウ・カッシュ博士が開発。
地球環境を再生させる目的だったが、軍事利用を目論む勢力に悪用されかけたために地球へと脱出。しかし、地球に落下した際にマシンのプログラムが異常をきたす。そして、パイロットだったキョウジ・カッシュを生体ユニットとして取り込み、地球汚染の原因である人類を抹殺しようとする悪魔のマシン「デビルガンダム」と化したのである。
その驚異的な自己再生能力によって破壊されても復活し、主人公のドモン・カッシュやその仲間たちを苦しめる。自己増殖能力も凄まじく、デビルガンダムの分身であるデスアーミーたちを次々生み出していった。
最終的にデビルガンダムは、ドモンのパートナーであるレイン・ミカムラまで機体に取り込んで再生し、恐ろしい自己進化能力によってコロニー全体を侵食するサイズまで巨大化。最終的には地球そのものを取り込もうとした。
それでも最後は、自我を取り戻したレインとドモンの愛による力「石波ラブラブ天驚拳」によってコアユニットを破壊され、さすがのデビルガンダムの修復能力も完全に停止した。
デビルガンダムは『Gガンダム』という特異な作品を象徴するマシンであり、モビルファイターというよりは、もはや“モンスター”と呼ぶにふさわしい異形の存在だった。
■ひとつの文明を葬った驚異の存在
アニメ『∀(ターンエー)ガンダム』の主人公機∀ガンダムと、その兄弟機とされるターンXは「ナノスキン装甲」を持つ。これはナノマシンによって構成された装甲であり、時間はかかるが多少の損傷は自然修復する治癒能力があった。
∀ガンダムは「黒歴史」と呼ばれた時代の文明を破壊したあと、長い眠りについていた。動力、駆動方式など従来のモビルスーツとはまったくの別物となっており、生物のような自然修復能力も、かつての高度な技術による賜物である。なお、劇中では折れたヒゲを数日かけて復活させる場面もあった。
そして物語のラスボスを務め、∀ガンダムの監視者とも原型機ともいわれているのがターンXである。∀と同じナノスキン装甲を持っているはずだが、ターンXの胸部には大きなXの傷が残ったままだった。
ガンプラ「MG 1/100 ターンX」の取扱説明書によると、このターンXの胸の傷は、過去の戦いで∀ガンダムがつけたもので、いかなる手段による修復もかなわない傷跡だという。
アニメ劇中の最終決戦でも∀ガンダムとターンXは激突。互いに大きな傷を負いながら、最後はナノマシンの繭に包まれ、眠りについた。いつかこの両機が傷を癒やし、復活する時がくると考えているガンダムファンも多いはずだ。


