合格者ゼロ、死傷者が出る場合も…『葬送のフリーレン』フェルンたちが挑んだ 「一級魔法使い試験の全貌」の画像
アニメ『葬送のフリーレン』(C)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会

 山田鐘人氏(原作)とアベツカサ氏(作画)による人気漫画『葬送のフリーレン』において、「一級魔法使い試験編」は、多くの魅力的な新キャラクターたちが登場した人気エピソードである。

 しかし、主人公・フリーレンと弟子・フェルンが挑んだこの試験は、単なる実力測定の場ではなかった。合格者ゼロの年すら存在し、ときには死者も出るという、極めて厳しい“選別”の場として描かれていたのである。

 今回は、そんな「一級魔法使い試験」の仕組みや根底にある理念を紹介しつつ、その試験の特殊さをあらためて振り返っていきたい。

 

※本記事には作品の内容を含みます。

 

■わずか数十人のみ…大陸魔法協会が認める最高位資格

 物語の舞台となる時代において、魔法使いたちを統括しているのが、大魔法使い・ゼーリエによって創設された「大陸魔法協会」である。

 大陸魔法協会は各地に支部を置き、魔法使いの資格認定や管理を行っている。資格制度は「九級」から最高位の「一級」まで存在し、五級以上でようやく一人前の魔法使いとして認められる。ちなみにフェルンはフリーレンと旅立つ前に、すでに三級魔法使いの資格を取得しており、若くして高い実力を持っていたことが分かる。

 その頂点に位置するのが、最高位資格「一級魔法使い」だ。その数は大陸全土でも40〜50名ほどしか存在せず、単なる実力者というだけでなく、国家レベルの任務を担う“戦略級”の存在として特別視されている。

 象徴的なのが、「北部高原」への立ち入り資格である。魔族や危険な魔物が生息するこの地は、一級魔法使いの同行なしでは法的に立ち入ることができない。大陸最北端の地「エンデ」を目指すフリーレン一行にとって、この資格の取得は旅を続ける上での必須条件だったのである。

■合格者ゼロの年も…命がけで挑む「一級魔法使い試験」

 一級魔法使いになるための「一級魔法使い試験」は、3年に一度、会場は聖都シュトラールと魔法都市オイサーストのいずれかで開催される。受験するには、五級以上の魔法使いの資格が必要だ。

 ちなみにフリーレン自身は資格制度そのものに無関心だったため、当初は資格を持たない、いわば“ヤミ魔法使い”の状態だった。しかし、かつて大魔法使いの証とされた「聖杖の証」を提示。それは、今やその存在や価値を知る者すらほとんどいない“神話時代の遺物”であったが、偶然その場に居合わせた一級魔法使い・レルネンがその価値を知っていたことで、特例として受験が許可されている。

 試験内容は担当する一級魔法使いたちによって毎回異なるため、難易度や傾向は一定ではない。

 たとえば、第一次試験の試験官を務めたゲナウは、音速で飛行し、極めて高い魔力耐性を持つ「隕鉄鳥(シュティレ)」の捕獲を課題とした。これは単なる捕獲試験ではなく、受験者同士の駆け引きや戦闘まで発生する過酷な内容であり、試験中には魔物の襲撃による死傷者も出ている。

 また、第二次試験では、試験官・ゼンゼが未踏破の迷宮「零落の王墓」の攻略を受験者たちに課した。そこでは、自身の能力を完全に模倣した「複製体」と戦う必要があり、フリーレンの複製体が他の受験者たちを絶望させる場面も描かれた。

 さらに過去には、試験官であった一級魔法使い・ブルグが、受験者ユーベルによって殺される事件も発生している。

 合格者が1人も出ない年がある一方で、死傷者が出ることも不思議ではないこの試験は、知識や技術以上に、実戦における生存能力と純粋な“強さ”を問われる場なのである。

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