■Dショックを奪った腕時計マニアの崩壊

 続いては、アニメ第4話「強奪! 超幻の激レア時計」に登場した赤星昇太郎が恐ろしい目にあうエピソード。赤星は原作には登場しないアニメオリジナルキャラで、当時爆発的な人気を博した「G-SHOCK」を思わせる題材ということもあり、記憶に残っている人も多いのではないだろうか。

 物語は、友人のミホのために人気の時計モデル「Dショック」を手に入れようと行列に並ぶ本田が、遊戯とともに限定の時計を購入しようとするところから始まる。しかし、遊戯と本田の前に、腕時計マニアの赤星が順番を無視して横入り。もともと持っていた腕時計を見せびらかし「自分こそがDショックを持つべき人間だ」と言い張る赤星は、欲しい時計のためなら手段を選ばない、強い執着心を持っていた。

 幸い、その場は赤星に時計を横取りされずに済んだが、欲望に支配された赤星はトイレに向かった本田のDショックを盗んでしまう。それに気づいた遊戯にまで暴力を振るう赤星だったが、ここで闇遊戯が現れてDショックを賭けた闇のゲームを仕掛ける。

 ゲームの内容は、時計のストップウォッチ機能を使い、10秒ピッタリで止めるというシンプルな内容。しかし、10秒ちょうどのタイミングで部屋の上に設置された巨大な振り子が落ちてくるため、正確に狙いすぎると自身の手と時計を傷つける危険があった。そしてタイミングを見誤った赤星は二度にわたって遊戯に敗北する。

 それでも、無理やりDショックを奪おうとする赤星だったが、闇遊戯の「哀れだな……」のひと言で罰ゲームがスタート。赤星が両腕にはめていた大量の時計が皮膚の中にめり込み、裂けた傷口からは歯車が見え、眼球まで時計の文字盤に変わるという、人とは思えない異形の姿になってしまう。

 この罰ゲームを経て精神が崩壊した赤星は、これまで大切に集めていた腕時計を自ら壊してしまうほどの錯乱状態に陥った。腕時計への執着そのものが罰として返ってくる、東映版『遊☆戯☆王』の中でもかなりインパクトの強い回である。

■金の亡者を待っていたのは、古代死神の幻覚…

 最後に紹介するのは、アニメ第5話「今暴かれる!! 遊戯の秘密」に登場した美術館館長の金倉だ。このエピソードは、遊戯の持つ「千年パズル」のカギを握る謎のエジプト人・シャーディーが初めて登場した回でもある。

 街で開催されていたエジプト発掘展を見るために美術館を訪れた遊戯一行。そこで出会った館長の金倉は、遊戯が持っている千年パズルを展示品として貸してほしいと頼む。遊戯はその言葉を信じて預けるが、金倉の本当の目的は千年パズルを売り払い、金に換えることだった。

 そんな金倉の前に現れるのが、シャーディーである。彼は千年アイテムや古代エジプトの因縁に関わる存在として描かれており、貴重な遺物を金儲けの道具としか見ていない金倉を裁くため、千年秤という道具を使った闇のゲームを始める。

 その内容は「真実の質問」と名付けられたゲームだった。千年秤の片方には、真実を象徴するマアトの羽が置かれ、シャーディーの質問に対してウソをつくたびに罪の重さで秤が傾き、秤が地面についた瞬間に罰ゲームが執行される。

 金倉は自分を立派な人物に見せようとしてウソを重ねるが、千年秤の前ではごまかしは通用せず、地位と金への執着を見抜いたシャーディーは罰を下す。

 その罰ゲームでは、金倉の椅子が古代エジプト神話に登場する幻獣・アメミットに変化し、食い殺される幻を見せられる。アニメ版では、金倉はそのまま昏睡状態になってしまうが、原作漫画のほうではショックによる心臓破裂で死亡するという、あまりにもショッキングな結末が描かれた。

 この回は金倉ひとりの罰だけでは終わらず、千年パズルをめぐる遊戯とのゲームも描かれており、原作終盤の「王の記憶編」へとつながる重要なエピソードにもなっていた。

 

 アニメで描かれた数々の恐怖描写や、子ども向けの作品とは思えない凄惨な罰ゲームの数々は今見ても強烈なインパクトがある。カードゲーム作品として広く知られる前のアニメ『遊☆戯☆王』には、今見ても印象的なダークな魅力が詰まっている。

 

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遊戯王 1
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