1996年から『週刊少年ジャンプ』で連載がスタートした、高橋和希さんによる漫画『遊☆戯☆王』。トレーディングカードやアニメ、ゲームといった派生作品はいずれも世界的な大ヒットとなり、作中のセリフや演出はたびたびネットミームとなって愛されるなど、世代を超えて親しまれている作品だ。
一世を風靡した遊戯王カードの人気と、テレビ東京で放送されたアニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』(2000年)の影響から、“カードゲーム”の印象が強い本作だが、連載初期は作品名通り、さまざまな遊びを題材にした作品だった。
そして、1998年放送のテレビアニメ第1作は俗に「東映版」と呼ばれており、声優・緒方恵美さんの妖美な声色も相まって、ダークな雰囲気が色濃く残る作風だった。
なかでも印象深いのが、武藤遊戯が仕掛ける「闇のゲーム」において、ルールを破ったものに下される罰ゲームの数々だ。現実と幻覚の境目が曖昧になるほど厳しい罰が待っており、その衝撃的な描写を見て、子どもながら恐怖した人も少なくないのではないだろうか。
今回は、そんな東映版アニメ『遊☆戯☆王』のエピソードの中から、特に罰ゲームの代償が大きかった3人の末路を振り返っていきたい。
※本記事にはアニメ『遊☆戯☆王』の内容を含みます。
■第1話から容赦なし! 弱者を食い物にした風紀委員の末路
最初に紹介するのは、アニメ第1話「激烈バトル闇のゲーム」に登場した風紀委員の牛尾。彼は主人公の遊戯たちが通う童実野高校の風紀委員だが、その実態は自身の肩書きを利用して生徒を脅す危険な人物だった。
物語冒頭、遊戯にちょっかいを出していたクラスメイトの城之内・本田を見かけた牛尾は、ふたりをいじめの加害者と見なし、風紀委員たちとともに袋叩きにする。とうの遊戯自身は城之内らの行為をいじめととらえておらず、むしろ友だちだと思っていた。そのうえ牛尾は、いじめから守ってやったという名目で「ボディーガード料」として20万円を遊戯に要求するのである。
その後、千年パズルの完成を進めていた遊戯は、なくなっていた最後のパーツを手にしてパズルを完成させる。すると、武藤遊戯のもう一つの人格、通称「闇遊戯」が姿を現し、牛尾を相手にロープとトランプを使った闇のゲームを始めるのだった。
ゲームは、塔にかけられたロープの両端に二人がぶら下がり、塔に設置されたトランプをめくって、その数字の分だけ上へ進んでいくという内容。先に頂上へたどり着いた方が勝ちというルールだが、ゴール目前の遊戯を前に、牛尾はトランプをめくらず自力で塔を上り、遊戯を塔から落とすという反則に手を出した。
だが、闇のゲームでルールを破った代償は重い。「闇の扉が開かれた」という闇遊戯の声とともに、牛尾は塔から川へ落ち、川の中から現れた怪物に食われる幻覚を見る。現実には怪物など存在しないが、本人にはその恐怖が本物のように見えてしまうのだ。
そして、駆けつけた風紀委員たちの前で、「怖いよぅ……お母ちゃん……」と泣きじゃくり、強いショックから入院することになる。
恐怖で人を支配していた牛尾自身が恐怖に支配される幕切れとなった第1話。悪意を持って他人を傷つける者を闇のゲームで裁く、ダークヒーローとしての遊戯の存在がはっきりと示された回だった。


