■武骨な第一印象とのギャップも…

 そんなデンケンの経歴は意外にも泥臭いものである。彼は平民の出だったが、才覚と努力で宮廷魔法使いにまで出世した。泥沼の権力争いを勝ち抜いた経験もあり、知略や腹の探り合いに関しては作中トップクラスといえるだろう。

 宮廷魔法使いのイメージと、彼の風貌から考えると、頑固で気難しい近寄りがたい男のように思える。豊かなひげのせいであまり表情が読めず、怖そうなビジュアルをしているからなおさらだ。しかし、その裏には、亡き妻への深い愛情や若者に対するあたたかいまなざしが隠されている。

 彼のそういった素顔の部分は今後の「黄金郷編」で詳しく描かれるが、これまでも彼はたびたび、若者に対して思いやりにあふれた姿勢を見せていた。

 一級魔法使い試験では、勝利のためだとしても他の受験者を殺すことは避けている。若い芽を摘みたくないという思いもあったのだろう。さらに、チームを組んだラオフェンのことを孫のようにかわいがっており、ドーナツなどを買ってあげる姿はファンの間でも大きな話題を呼んだ。

 たまたま居合わせたフェルンとシュタルクに気前よくお菓子をごちそうする場面もあり、基本的に若者においしいものを食べさせるのが好きなのだろう。

 さらに、残念ながら一級魔法使いになれなかったリヒターのことも、デンケンはかなり目をかけていた。試験終了後、脱落してしまったリヒターのもとをわざわざ訪ね、「三年後のお前は今よりずっと強くなっている」とエールを贈っている。

 こうした「優しいおじいちゃん」のような振る舞いは、第一印象の冷徹で武骨なイメージとはかけ離れている。不器用すぎて本来の人情深さが分かりにくい点も、デンケンの魅力といえるのかもしれない。

 

 アニメ第3期「黄金郷編」でデンケンは、主要人物の1人として活躍が描かれる。原作の中でも非常に人気が高い長編エピソードなだけに、その濃密な物語がアニメでどのように表現されるのかも注目だ。

 魔法使いとして申し分ない実力を持つうえ、意外なギャップも見せてくれるデンケン。放送までに彼の魅力をあらためておさらいしておくと、アニメでの活躍をより一層楽しめるに違いない。

 

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